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 美味しそうなフランス料理
更新日 : 平成20年02月29日
障害者の働く本格フレンチレストラン
ワークショップほのぼの屋
京都府 社会福祉法人 まいづる福祉会

インタビュー風景(動画)

※動画の視聴条件などはこちらをご覧ください。


舞鶴湾を眺望できる本格フレンチレストラン

美しい店内
 京都府の北部、舞鶴湾を一望できる高台に本格的なフランス料理をリーズナブルな価格で提供するカフェレストラン「ほのぼの屋」があります。舞鶴市まちづくりデザイン賞を受賞した2階建ての建物の入口の先には海が広がり、駐車場にクルマを止めて店内に向かうお客様の期待感を盛り上げてくれます。ドアを押して店内に入ると、モノトーンのユニフォームを着飾ったウェイターが迎えてくれます。
 店内は、半分は吹き抜けで、海に面して2階部分までガラス張りになった開放感のある造りになっており、お客様は見事な景色を楽しむことができます。
 ゆとりを持って配置されているテーブル席は、ランチタイムやディナータイム(予約制)になると、あっと言う間に満席になってしまいますが、訪れたお客様はゆっくりと会話と食事を楽しむことができます。
 近隣では知らない人がいないほど評判のレストランになっており、多くの常連客は「ほのぼの屋」が精神障害者が働くレストランであることを知っているようですが、接客サービスも礼儀正しく丁寧に提供されるため、至極普通に楽しい食事のひとときを過ごしています。


一流ホテルの総料理長も

糸井和夫料理長
 障害者の働くフレンチレストランで、ここまで本格的な店は全国どこを探しても見当たりません。
 「ワークショップほのぼの屋」は、もともとは30年前に開設された小規模作業所「まいづる共同作業所」から発展したものです。以前は竹ボウキづくりや木工・縫製作業や下請け作業をおこなっていました。「もっと給料がほしい」という利用者の声で、1998年に「第2まいづる共同作業所」古本屋を基点にしながらさまざまな企業へ出向しての作業を開始し、平均5万円の給料が支払えるようになりました。古本屋のオープンにより接客を通じていきいきと働く利用者(障害者)の姿に気づきました。これを契機に、「誰もが入りやすく、障害者がお店とともに成長していける商売ができないか」という関係者の思いが、フレンチレストランの開業へと発展していきます。レストランプロジェクトが立ち上がると、高い志に共感するように、人づてに設計士やホテルの接客インストラクター、一流ホテルの総料理長を経験したシェフなど、その道のプロフェッショナルがプロジェクトメンバーとして集まってきました。国、京都府、舞鶴市の助成金に加え、市民からの募金も集まり、舞鶴湾を見下ろす高台に建設許可が下り、レストラン建設の目処が立ちます。


40〜50代の女性客らで満席

 「ほのぼの屋」は40〜50代の女性客を主要ターゲットとして設定しています。比較的、お金を持っており、目も舌も肥えている彼女たちにとって、「ほのぼの屋」のような非日常を感じられる高級感のあるレストランが受けるであろうと判断したからです。
 舞鶴湾を見下ろせるオーシャンビューのガラス面、吹き抜けの空間、モノクロームの色調で統一されたインテリア等のハード面、安心感を与えるために若手スタッフだけではなくベテランスタッフも配置する、食事のスピードに合わせて心地よいタイミングで給仕する等のソフト面の工夫は、狙い通り、彼女たちの心を掴みます。取材で訪問した日曜日のランチタイムは、40〜50代の女性のグループ客や家族連れで満席になっていました。


何もしないうちに自立していく

きれいな盛り付けのオードブル
 カフェレストランほのぼの屋の営業時間は、午前10時から デザートとティータイム、午前11時30分から午後1時までがランチタイム、午後1時から午後3時が デザートとティータイム、午後6時から午後9時までがディナータイムです。この間、20人の利用者(障害者)は、シフトを組みながら、それぞれ厨房での皿洗い、テーブルクロスのアイロンがけのほか、給仕やレジ係など直接お客様と関わる仕事も担当しています。
 オープン当初、プロの接客インストラクターによるトレーニングを受けたとは言え、素人集団だった彼らにとって、レストランをまわすのが精一杯で、「ほんの少し心のケアをすることくらいで、利用者に対して何もしてあげられなかった」(西澤心支配人)。連日連夜、大盛況が続き、誰も助けてくれない、誰も教えてくれない状況が続く中で、「利用者たちは自分たちで考えるようになり、ほのぼの屋の貴重な戦力に変わっていきました」(同)。
 今では、利用者(障害者)たちが予約状況をみて、シフトをどう組んで、どう配置していけば良いか、考えるまでに成長しているそうです。


福祉の土俵でビジネスを展開する

ウェディングの打ち合わせ
 ほのぼの屋の売上は、開業以来、毎年、5000万円で推移していましたが、今年度については6500万円に達しそうです。増収の要因は、レストランウェディングが好調なためで、新郎新婦に招かれた友人・知人が再び披露宴をほのぼの屋で開くなど、口コミだけで毎月5〜6本のレストランウェディングの予約が入るそうです。障害者の働く本格フレンチレストランという発想にもびっくりさせられましたが、レストランウェディングまで展開するなんて、福祉の常識を覆した事例ではないでしょうか。
 「福祉の店でなければ、こんな高台にレストランを構えるなんて認められなかったかもしれません。
 また、私たちのレストランは、収益性の追求ではなく、あくまでも彼らの雇用を守ることを第一目的としているので、原価率も高目に設定しています。ホール一杯にテーブル席を詰めたりすることもなければ、特別、回転率を上げることも考えないので、お客様はリーズナブルな価格で本格的高級フレンチをゆっくりと楽しむことができるのです」(糸井和夫料理長)というように、一般企業が経営するレストランには無いゆとりと安心感が口コミやリピーターの獲得につながっているのでしょう。前述した通り、ほのぼの屋のイニシャルコストはほとんど助成金と寄付金によって賄われています。福祉の店も見方によっては、一般企業が羨むほどの好条件が揃っているのです。


取材日 : 平成20年2月
今回のポイント

@ 中途半端なレストランではなく、目的来店性の高い(わざわざ足を運ぶ価値のある)店づくりに挑戦した。
A 40〜50代の女性をターゲットとして設定し、ターゲットに合わせた店づくり、メニュー、接客サービスをおこなっている。
B ホテルの接客インストラクターや一流シェフを招聘する等、要所でプロを活用している。
経営コンサルタント 石田 和之
施設概要

  施設名 ワークショップほのぼの屋   開所時期 2002年4月
  設置者名 社会福祉法人 まいづる福祉会   利用者数 38名
  所在地 京都府舞鶴市大字大波下小字
滝ケ浦202番56
  職員数 10名
  電話番号 0773-66-7711   FAX 0773-64-0002
  代表者 施設長・支配人 西澤 心   連絡担当者 施設長・支配人 西澤 心
  施設種類 就労移行支援 就労継続支援A 就労継続支援B   事業内容 フレンチレストラン・結婚式 プチホテル 古本屋 企業への出向等
  障害種別 主に精神障害者   平均工賃 65,000円
  URL http://www.honobonoya.com
平成21年7月現在
事業所コメント

CAFE RESTAURANT ほのぼの屋はあなたのお越しをお待ちしております。


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