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インタビュー風景(動画)
障害者雇用率10%超!

エフピコ愛パック株式会社は、障害者の就労の可能性と職域を広げていくことを目的に、食品用トレー製造国内最大手の株式会社エフピコ(本社:広島県福山市、東証一部上場)のグループ会社として平成19年3月に設立された会社です。
障害者自立支援法に基づく就労継続支援A型サービス事業と食品容器及びその部品の製造・販売を事業内容としています。現在、取材を行なった佐賀工場のほかに、山形・茨城・岐阜・西宮・福山の工場が稼動中で、今年度中にはさらに北海道工場が立ち上がる予定となっています。
株式会社エフピコでは、エフピコ愛パック株式会社に先行して広島愛パック株式会社を平成18年10月に設立し、営利法人では初めて就労継続支援A型の認定を取得しています。
株式会社エフピコが障害者の雇用を始めたきっかけは、今から22年前の昭和61年に千葉県船橋市で知的障害者の親の会と接点を持ったことだったといいます。
障害者の親の「障害者の働く場所がない!」という訴えに応えて、障害者を雇用する企業として株式会社ダックスを千葉県習志野市に設立し、現在は特例子会社として食品容器の成形製造および倉庫業を展開しています。そのほかに、株式会社エフピコの特例子会社は四国(高知県南国市)と佐賀にもあり、障害者に安定的な職場を確保し、健常者と助け合って働くことができる場を提供しています。
株式会社エフピコ本体、特例子会社3社、愛パック事業会社2社で雇用している障害者は現在およそ160名で、障害者雇用率は10%を超えているとのことです。
6カ所の工場を一気に立ち上げ
広島愛パックやエフピコ愛パックの各工場で就労継続支援A型事業所の認定を取得するのは、予想以上に大変だったといいます。自立支援法が施行されて日が浅く、どの県・市においても営利企業が申請するのは初めてだったため、資料や書類が整っていなかったためです。
それでも、平成19年5月から10月末までの半年間で6ヵ所の工場を一気に立ち上げて就労継続支援A型事業所の認定を受け、エフピコ愛パック全体で70名以上の障害者が働いています。
おもらしだってOK?

エフピコ愛パック佐賀工場の障害者採用の倍率はおよそ6倍でした。障害の程度が軽く、他の企業でも採用されそうな人は採用しない方針で、採用基準は「一緒に働きたいか」ということだけ。それでも、「採用して失敗した人はいない」といいます。
且田取締役は、「介護を必要とする障害者以外であれば、障害者は誰でも働けると考えている。仕事中におもらしをしたって構わない。おもらしをしてしまうなら、着替えを用意しておき、すぐに着替えればいいだけのこと」と語ります。「初日に1時間も働けない障害者でも、一ヶ月もすればきちんと8時間働けるようになる。走り回ったり、暴れる障害者でも、騒ぎたくなったら外に行って気が済んだら戻ってきて働けばいい。そのうち、外に出ている時間が最初は30分だったものが3分になる」。
さらに、「“障害者は働けない”を前提にすれば、働けないことになるが、“障害者は働ける”を前提にし、工夫し協力すれば必ず働ける」と言います。障害者を雇う側の企業がこの前提に立って障害者を雇い、本業から派生する軽作業を任せるのでなく、本業に従事させることできちんと戦力になってもらいたいと期待すれば、半年ほどで障害者に「働くことは面白い。仲間と働きたい」という気持ちが芽生え、自分の仕事に責任を持てるようになる。
その結果、エフピコ愛パックで働く健常者の中には、“自分は知的障害者と一緒に働いている”と意識している人は恐らくいないだろうということです。
本当に重度?

エフピコ愛パック佐賀工場では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで販売される弁当容器の製造を行なっています。
製造は、弁当容器のパーツを機械で成形→ 検品→ 決められた数ごとに機械を使って結束→機械を使って包装→ 包装済みの製品に製品ラベルを貼付→ 出荷用の段ボール箱に梱包、という工程に分かれています。衛生管理が徹底された工場内には成形機や結束機、包装機など機械が多く設置されており、機械ではできない手作業部分を従業員が担当しています。
機械から次々と半製品や製品が作り出され、そのスピードに合わせて健常者も利用者も自分の担当する作業をテキパキと行います。ウロウロしたり、おしゃべりをしている従業員は一人もいません。
工場を見学させていただく前に「障害のある社員はみなさん、重度認定です」との説明を受けていましたが、働く姿を拝見して「本当に重度?」と疑いたくなるほど、きちんと仕事をされている様子にとても驚きました。
エフピコ愛パックは、営利企業として利益を上げることはもちろん、製品の品質も高い水準を維持しないといけないため、社員には仕事に対する責任感をしっかりと持つことを求めています。また、日々必要となる量の生産を行わなくてはなりません。取引先のほとんどが大手の企業で、製品に髪の毛1本でも混入していたら取引を中止されてしまうという緊張感を持って働くことも必要です。 “責任感”と“緊張感”を持つことにより、たとえ重度の障害があってもしっかりと働くことができるのだと納得しました。
働き方を決めるのは本人

エフピコ愛パックでは、週5日午前8時半から午後5時15分までの勤務となっています。基本的に8時間労働するのが社員、という考え方をしています。障害があるという理由で恒常的に短時間勤務を認めることはありませんが、本人や一緒に働く従業員の申し出によって柔軟な対応をしているとのことです。
例えば山形工場では、精神障害をもった社員を3名雇用しています。勤務は毎日8時間が基本ですが、通院のための遅刻や有給休暇を使って欠勤も認めていますし、調子が悪くなった社員から「1ヶ月休ませてほしい」との申し出があれば、1ヶ月休むことも認めています。
且田取締役は言います。「働くか休むかを決めるのは会社ではなく、本人。それと一緒に働いている社員の直感。それぞれの障害者に合った働き方をすればよい。みんなで協力しながらやっていけばよい」
企業が“障害者は働ける”を前提に障害者を採用し、戦力になることを期待して共に働く。結果、障害者が働くことの厳しさと楽しさを知って社員として成長する。企業が真剣に求めることで、障害者がそれに応える。企業の側が少しの柔軟性を持つことで障害のある社員との間でこのような関係を築いていくことが可能となります。ですから、企業による障害者の雇用はきっとそんなに難しいことではないに違いありません。
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