ニュース
医療

【岡山県】

若者向けバーでハンセン病学ぼう 岡山の店主、講演会初開催

山陽新聞 2018年2月7日(水)
バーで田村さん(右奥)の講演を聴く参加者=1月、岡山市北区磨屋町
バーで田村さん(右奥)の講演を聴く参加者=1月、岡山市北区磨屋町

 ハンセン病をテーマに、ちょっと変わった講演会が1月、岡山市で開かれた。変わっているのはその会場。繁華街にあるバーが店内を開放し、常連客の20代の学生や社会人らに来場を呼び掛けた。企画した店主は「バーは気軽に人が集う場所。通常の講演会には足を運びにくい若い人も参加しやすいはず」とし、今後も継続して開くことにしている。

 店主は「コントワール」(同市北区磨屋町)の園田浩也さん(40)。きっかけは昨秋、同市の一般社団法人から瀬戸内市の国立ハンセン病療養所・長島愛生園などで開くイベントへの出店を頼まれたこと。同園に通ったり資料を読んだりするうち、ハンセン病への理解を広めるために自分も何か役立てないかと店での無料講演会を思い立った。

 交流の生まれた同園歴史館学芸員の田村朋久さん(41)に講師を打診すると「日ごろ話をするのは学校の子どもたちや中高年層が中心で、若い人たちは少ない」と快諾。店休日の1月中旬、田村さんを迎え、初開催した。

 カウンターの内側に立った田村さんは約20人を前に、国の強制隔離政策が生んだ差別や偏見の歴史を語り、堕胎の強要など人権侵害の実態を解説。瀬戸内地方の国立ハンセン病療養所3園の世界遺産登録を目指す取り組みなども紹介した。

 会場がバーとあってカクテルやソフトドリンクも無償で振る舞われ、終了後、参加者からは「くつろいだ雰囲気で、話がじっくり聴けた」「これを機に自分でも勉強したい」といった声が上がった。

 次回開催は春を予定。隣の邑久光明園からも講師を迎えたい意向で、園田さんは「ハンセン病に関心を持つきっかけづくりができれば。回を重ね、療養所を訪ねるツアーも実現したい」と話した。