7.モニタリング
介護

7.モニタリング

 利用者の状態や生活状況は刻々と変化するため、モニタリングによって当初のケアプランどおりでよいのかどうかを確認していきます。ケアマネジャーの仕事のなかでは、もっとも時間を必要とするプロセスと言えます。

モニタリングで意識したい基本

1.サービス開始後の変化を見逃さない
 モニタリングで重要なのは、変化を見逃さないことです。「前回の訪問から今回の訪問までの間に大きく変わったことはないか」「本人の健康状態はどうか」「介護者の体調など介護環境に変化はないか」などのチェックが必要となります。その際、あらかじめ利用者の「生活が揺らぎやすい要素」(本人の疾患の状態や介護者の介護力など)を整理しておくと、モニタリングの際に焦点を合わせやすくなります。

2.ニーズの変化を確認する
 モニタリングには、利用者の現在の状態像を把握するだけでなく、初期のアセスメントで把握したニーズが現在も適切であるかを吟味するという要素もあります。もしも、現在のニーズがケアプランを立てた時点のニーズと違っていれば、サービスの内容が不適切なものになってしまう可能性があります。そのような場合は、ケアプランの修正が必要になってきます。

3.モニタリングの継続で信頼関係を築く
 モニタリングを継続的に行うことによって、利用者・家族・サービス提供者との信頼関係を築くことも重要です。ケアマネジャーが利用者の生活状況や身体状況、家族の疲労度などにきめ細かく気を配り、それぞれの変化に適切に対応した支援を調整することができれば、利用者・家族からの信頼は強まっていきます。また、直接サービスを提供するサービス事業者から寄せられる声に真摯に耳を傾け、疑問に的確に答えたり、もたらされた情報を効果的な支援に結びつけたりすることができれば、事業者からの信頼感も増していきます。

モニタリング時の注意点

1.利用者・家族の視点を中心に置く
 モニタリングを行う際に心がけたいのは、利用者・家族の視点を中心に置くことです。ケアプランに位置づけた各サービスの実施状況を把握することがモニタリングにおける主業務になりますが、同じように重要なのは、利用者・家族がサービスにどのくらい満足しているかという点です。ケアマネジメントの実施にあたっては、利用者およびその家族の主体的な参加が不可欠だからです。
 モニタリングに際しては、利用者・家族に対してサービスの満足度を尋ねることを忘れないようにしましょう。

2.サービス担当者からの情報を活用する
 ケアマネジャーよりも利用者に長い時間かかわるサービス担当者からの情報は、モニタリングにおいても役立つことが多いものです。担当者から情報を受け取った際には、必ず感謝の気持ちを伝えましょう。また、もらった情報に対してすばやく行動を起こすことも重要です。情報提供者のもとに駆けつけて詳しい話を聞いたり、情報に基づいて利用者の状態を確認して結果をきちんと返したり、必要ならケアプランを変更するなど、「ケアマネジャーに情報を伝えてよかった」と思ってもらえるような努力をしましょう。サービス担当者はモニタリングにおける重要なパートナーと言えます。

3.サービス提供の現場に出向く
 担当者からの情報に頼るだけでなく、実際にどのようにサービスが行われているかを自分の目で確かめることも、ケアマネジャーにとって重要な仕事の一つです。サービス提供現場においては、サービス利用時の本人の気持ちもモニタリングのポイントとなります。どのような表情で過ごしているのかをしっかりと観察しましょう。また、通所サービスの利用時などに利用者と話をすると、自宅に居るときとは違う話を聞くことができる場合もあります。

訪問系サービスにおけるモニタリングについて

 通所系や宿泊系サービスと異なり、利用者の自宅でサービス提供が行われる訪問系サービスでは、モニタリングに際していくつかの留意点があります。

1.事前に利用者や家族の了承を得る
 サービス提供場面に突然ケアマネジャーが訪問すると、利用者や家族は驚いてしまいます。例えば、「明日、ヘルパーさんが来ているときに伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」と事前に了承を得るようにしましょう。

2.基本的にはサービス事業所に事前連絡をする
 時間枠をフルに使ってサービスを提供している事業所は少なくありません。サービス提供中のどの時間帯に伺えば迷惑にならないかを、事前に確認しておく配慮が必要です。ただし、利用者側から「サービスの質」についての疑問や苦情が寄せられた場合は、抜き打ち的なチェックが必要なこともありますので、この限りではありません。

3.見せてほしいケア内容があれば、その旨を告げておく
 事業者には、例えば、「食事介助の場面を見たいのですが、何時頃おじゃましたらよろしいでしょうか?」とリクエストしてみましょう。同時に、なぜその場面を見たいのかも伝えます。

4.サービス担当者・利用者の双方と話をしたいときは、サービスの終了直前に訪ねる
 サービスの終了直前であれば、「利用者から離れて後片づけのみ」という状況も多いので、サービスを担当しているスタッフと会話を交わしても手を煩わせるおそれは少ないでしょう。また、スタッフが退出した後で利用者に感想を聞くこともできます。

モニタリングでの「よくある悩みや疑問」

事前にモニタリング訪問の約束をしても、急に不在となったりしてなかなか会えない利用者がいます。どうすればよいでしょうか。

ケアマネジャーにとっては、モニタリングができないこともさることながら、「もしかしたら、利用者と信頼関係が築けていないのかもしれない」などと気がもめることでしょう。ですが、一歩立ち止まって考えてみましょう。なぜ、利用者は外出するのでしょうか。外出するということは、「行き先がある」ということです。いいかえれば、何らかの社会参加ができていることになります。この点に目を向ければ、「どこに出かけたのか」「そこで何をしているのか」を深く掘り下げることにより、本人の交友関係や自立の程度を把握することができます。
 また、利用者のなかには、サービス提供者には本音を語る人も少なくありません。サービス提供者が把握している利用者の思いを聞かせてもらい、利用者に会うための方策を一緒に考えてもらうのも一つの方法でしょう。そうした努力をしても会えない場合は、地域包括支援センターに相談してみましょう。