9.実際の業務について〜1か月の業務〜
介護

9.実際の業務について〜1か月の業務〜

 これからケアマネジャーの業務に就く方は、「ケアマネジメントの流れはわかったけど、現実の業務をどのようにこなしていけばいいのか」という不安を感じることがあるでしょう。そこで1か月間の業務の流れの一例を示してみます。

主に月の上旬は「実績管理」などに追われる

 ケアマネジャーは、サービス提供月の前月の下旬までに各サービス事業者へ「サービス提供票」を郵送します。サービス提供月の翌月の上旬はそれらが返送されてきます。ここで、サービス提供票と実績が一致しているかをチェックしつつ、給付管理票を作成しなければなりません。規模の大きい事業所では事務の専門職が代わって作成してくれることもありますが、事務の専門職のいない事業所の場合は、ケアマネジャー自らが行うことになります。同時に居宅介護給付費の請求書を作成し、上記の給付管理票とあわせて10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)に電送します。
 ここで注意したいのは、給付管理票等を国保連に提出する際、10日ぎりぎりになってしまうと、電送上のアクシデントなどがあった場合に間に合わなくなるリスクがあることです。できれば8日くらいまでに作業を完了しておくことが必要です。
 こうした給付管理業務に追われる間にも、利用者からの新規の相談や、その他のケアマネジメントのプロセスをこなしていかなければなりません。利用者のなかには、「すぐにサービスが必要」という人もいて、要介護認定の結果が出る前に暫定的にケアプランを作りながら、早急にサービス調整を行わなければならないこともあります。また、病院からの退院日が迫っていて「居宅復帰後のサービス調整」が待ったなしというケースが依頼されることもあります。
 さらに、この時期になると、申し込んでおいたショートステイの予約の可否連絡が集中することもあります。仮に「満床で受け入れられない」となった場合、施設や利用者との調整などが必要になります。

中旬になり余裕が出たところで入れたいスケジュール

 給付管理業務などが一段落し、月の中旬になってくると、利用者宅への訪問などを余裕をもって行うことが可能になります。こうした時期に、担当する利用者のモニタリングなどを実施するケアマネジャーが多いようです。また、緊急対応が必要なケースを除き、サービス担当者会議などの開催を設定する場面も増えてきます。
 モニタリングについては、要介護の利用者に対しては最低月1回のモニタリング訪問が義務づけられています。ケアプランの変更などが必要ではないかを見定め、利用者の状態像が大きく変化している場合は、要介護認定の区分変更申請などを考える必要もあります。なお、訪問に際しては、早めにアポイントをとることを心がけます。
 一方、サービス担当者会議については、利用者のみならず多職種のスケジュール調整が必要という点で、必ずしも月の中旬に設定できないこともあります。利用者の状態変化に対してなど急な場合を除き、前月の下旬から当月の上旬にかけて参加者のスケジュールを確認しつつ、余裕をもって開催時期を設定するようにしたいものです。

余裕のある中旬には、自己啓発や地域連携の活動も

 ケアマネジャーには、現任者向けの研修をはじめ、自己の資質を向上させていくための勉強に時間をとることも重要です。地域で開催されるさまざまな研修や勉強会のなかから、自分のキャリアビジョンに合った自己啓発の機会を見つけ、積極的に参加するようにしたいものです。
 ケアマネジャーという職種は、地域のさまざまな社会資源との連携が必要になります。時には、職種の枠を越えた地域連携の機会が設けられます。そうした場に参加し、他職種と「顔の見える関係」を築いておくと、後々サービス調整やモニタリングなどの場面でスムーズに連携することができます。他職種と触れ合うことができる場には、できるだけ積極的に参加することを心がけましょう。


下旬はサービス利用票・提供票の作成などが・・・

 下旬に向けては、再び事務処理が増えてきます。まずはサービス利用票・提供票を作成し、利用者と各サービス事業者に交付します。
 また、要支援者の介護予防支援を地域包括支援センターから受託している場合、地域包括支援センターが給付管理業務を行う際に必要となる情報提供を行います。
 もちろん、事務処理に追われるなかでも、新規の利用者からのケアマネジメントの依頼がストップすることはありません。「事務処理で多忙だから、ケアマネジメントのプロセスを先送りにする」というわけにはいきません。利用者にとっては、課題解決は待ったなしという状況にあることも多いからです。その意味で、下旬に向けては体調管理をしっかり行い、飛び込みの依頼などにもしっかり対応できる体力的な余裕を備えておくことが求められます。