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【山梨県】

セラピードッグ訪問500回 医療・福祉施設で活動

山梨日日新聞 2017年11月1日(水)
セラピードッグ活動で犬と触れ合う参加者=山梨・日下部記念病院
セラピードッグ活動で犬と触れ合う参加者=山梨・日下部記念病院

 山梨セラピードッグクラブ(中村幹代表、甲斐市岩森)が行っている医療機関や福祉施設などへの訪問活動が、今月で500回となった。現在はセラピードッグ認定犬15頭が活動。会員の合同訓練などで犬の資質を高め、県内12カ所を定期的に訪れて、利用者らに癒やしを与えている。訪問先では「表情が乏しい人に表情の変化がある」などの効果が出ているという。今後は、障害児らの支援の場でセラピードッグの活用を広げることを目指している。

 10月中旬、山梨・日下部記念病院内のホールに、30人余りのデイケア利用者が集まった。同クラブが訪れ、犬の訓練を披露すると、参加者は熱心に見入り「えらいねー」と感心しながら大きく拍手。触れ合いの時間には、犬の顔や体をなで笑顔を見せた。

◎徹底的に訓練
 同クラブは、日本警察犬協会公認一等訓練士だった中村代表が中心となり、2004年6月に設立した。中村代表のもとで飼い主と犬が服従訓練を受け、一定のレベルに達し認定を受けた犬が活動に参加している。活動回数は徐々に増え、現在は年間45〜50回実施。本年度は病院や福祉施設6カ所と同市の保育園6カ所を訪れていて、10月16日に500回となった。
 活動の中で大切にしているのが、日頃の服従訓練。「徹底的に訓練を受けた犬は、人を親愛の情を持った目で見てくれる。それが癒やしになる」と中村代表。合同訓練や認定の更新試験も実施して、飼い主に日常の継続した訓練を促し「どんな環境でも我慢できる犬」を育てている。
 日下部記念病院は、13年から認知症疾患治療病棟でセラピードッグ活動を取り入れている。生活の質の向上が目的で、当初は年4回だったが、翌年から6回に増やし、本年度はデイケアの利用者も参加している。
 病棟からの参加者は、活動前と後の表情の変化をイラストで示す「フェイススケール」でチェックしている。「毎回6〜7割の人が表情が良くなる」と作業療法士主任の岩田由美さん。犬との触れ合いを喜ぶ参加者の様子を踏まえ、「職員から利用者への関わり方のきっかけも増えた」と手応えを感じている。

◎子ども支援へ
 甲府・国立病院機構甲府病院では、重症心身障害病棟で外出が難しい利用者に動物と触れ合う機会を設けようと、2年前から活動を実施する。意思表示が難しい子に表情の変化が見られるなど、療育指導室の岩崎真由美さんは「情緒的にいろいろなことを訴えてくる」と話す。
 活動は、会員にとっての癒やしや愛犬との信頼関係づくりにもつながっている。田中舞美さん(韮崎市)は愛犬「まりの」と9年前から参加。「自分も多くの人と交流でき、豊かな時間を過ごせている。訓練のおかげで、まりのと意思も通じる」と語る。
 同クラブには、毎年3〜4件の新たな訪問要請が寄せられる。ただ犬への負担を考慮し、夏と冬は活動を控えていることもあり、「今以上の訪問はなかなか難しい」(中村代表)のが現状だ。今後は障害児や不登校、引きこもりの子どもたちのサポートにさらに力を入れたい考えで、中村代表は「セラピードッグの力で、子どもたちが元気になったり立ち直ったりする支援をしたい」と話している。