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【北海道】

伊達の「ひなげしの会」が高齢者の居場所づくり15年

室蘭民報 2017年12月25日(月)
思い思いにトランプを楽しむ女性たち。勝った負けたは関係なし。おしゃべりも弾む=9月28日、元町会館
思い思いにトランプを楽しむ女性たち。勝った負けたは関係なし。おしゃべりも弾む=9月28日、元町会館

 住み慣れた家や地域で、できる限り長く暮らすための「地域包括ケアシステム」。医療や介護のサービスだけでは、その実現は難しい。介護予防の集まりやサークルが豊富にあり、高齢者同士の会話が自然に生まれる環境が求められる。地域のつながりが弱くなる中で、どう再生するか。そのお手本となる活動を実践して15年になるサークルが伊達市内にある。
 名前を「げんきかい」という。家に引きこもりがちな高齢者が気軽に集える場をつくろうと、元町の中央区第2自治会の住民有志が1999年(平成11年)、自治会内の高齢者支援を目的に立ち上げたボランティアサークル・ひなげしの会の活動の一環で2002年4月、市の委託を受け現在の元町会館で始めた。初年度は年間で280人の延べ参加者が翌年度には約500人に急増。現在は千人を超える。常連の原田富子さん(84)=梅本町=は「言いたいことを言い合ってストレスを発散しているの」と大げさに笑って見せた。
 開設日は週1回、木曜の午後。9月末、会館を訪ねると、麻雀やトランプに興じるお年寄りの笑い声が絶えなかった。勝った負けたは関係なし。麻雀組は見ているこちらが心配になるほどの熱中ぶり。丸3時間、一度も休まずゲームに没頭し「また来週ね」。再会を約束し、みんな笑顔で帰っていく。
 自治会ごとの介護予防サークルとは違い、市内の全域から参加できるのが特長。上下関係やしがらみのない人付き合いを求めて毎回、70〜80代を中心に約30人が集まる。活動は年間約50回になるが多くが"皆勤賞"だ。参加費は1回50円。その気軽さが受けて移住者や現役世代もいる。
 参加者の一人は「自治会の集まりは、長老や仕切りたがりの人がいて入りづらい。素性を明かさず趣味でつながれる身軽さがちょうどよい」と本音を漏らした。
 お世話するのではなく、みんなが集まり、自らも楽しみ元気になろう―。活動を支えるのは、思いを同じにした60〜70代の15人。「参加者を年寄り扱いしない」「上から目線で話さない」「あいさつは短く」「楽しく」がモットー。準備は3グループに分かれた当番制で、2カ月に1度は例会を開いて参加者の様子を共有している。
 会は4月、15周年を迎えた。同様の取り組みは市内16団体に広がった。ひなげしの会の会長、阿部和博さん(68)は「私たちもいずれは支えられる立場になる。これからも今まで以上に皆さんに喜んでもらえるようにしたい。何より私たちも元気をもらっています」と実感を込めた。