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【栃木県】

困りごと気軽に相談を 県内の社福法人連携・いちごハートねっと

下野新聞 2018年3月6日(火)
地域相談支援員の資質向上とネットワークづくりを目指した勉強会
地域相談支援員の資質向上とネットワークづくりを目指した勉強会

子育て、生活支援…幅広く対応 認知度アップに課題
 保育園や障害者支援施設、老人福祉施設などを運営する県内の社会福祉法人が連携して、生活に困っている地域住民を支援する「いちごハートねっと事業」の開始から来月で1年。各施設に寄せられた相談は計180件を超え、取り組みは広がりをみせる。一方、依然として認知度向上が課題となっており、担当者は「気軽に足を運べる地域の相談窓口として、どんどん活用してほしい」と呼び掛けている。
 同事業は、2016年4月の社会福祉法改正で「地域における公益的な取り組み」が社会福祉法人の責務になったことを受けてスタート。昨年3月に推進協議会が発足した。専門分野の異なる法人同士が協力することで、幅広いニーズに応じた支援が期待されている。
 今年2月末現在、109法人が参加し、244施設で「おこまり福祉相談窓口」を開設している。入り口に掲示したイチゴ模様の看板が目印だ。
 経済的な問題や子育て、病気などで悩んでいる人、日常生活で支援が必要な人などを対象に、経験豊富な「地域相談支援員(相談員)」が無料で相談に応じている。
 同協議会によると、昨年12月末までに解決に導いた相談・支援は107件。
 ある母親は、突然起きた相続問題に混乱していた時に事業の看板を見つけ、相談に訪れた。施設職員に無料法律相談を紹介してもらうと、精神的にも落ち着きを取り戻したという。
 同協議会は「困り事に積極的に介入し、きめ細かい支援が可能になった」として、今後は子ども食堂や学習支援なども実施する予定。相談員のスキルアップや顔の見える関係づくりを目指し、地域ごとの勉強会にも力を入れている。
 だが、取り組みが知られていない現状もある。宇都宮市宝木本町の特別養護老人ホーム「宝寿苑」の相談員、佐藤稔子(さとうとしこ)さん(45)は「本当に困っている人は地域からも孤立し、新聞もネットもなく、情報が届かない」と問題点を指摘する。
 同協議会の岩崎正日登(いわさきまさひと)会長は「回覧板を使って周知するのも一つの手。地域に根差した相談場所になれるよう、広報についても対策を考えたい」と話している。