ニュース
介護

【福井県】

心安らぐ交流の場定着 認知症カフェ

福井新聞 2018年6月11日(月)
認知症の人や家族が集う「心愛」。それぞれが思い思いの時間を過ごしている=福井県福井市渕3丁目
認知症の人や家族が集う「心愛」。それぞれが思い思いの時間を過ごしている=福井県福井市渕3丁目

 認知症の人や家族が集う認知症カフェ「心愛(ここあ)」(福井県福井市渕3丁目)が開設から5年を迎えた。安心できる居場所として定着し、男性は囲碁をしたり、女性はおしゃべりを楽しんだりと、それぞれが穏やかな時間を過ごしている。スタッフは「認知症という病気は先が見えず、本人も家族も不安。これからもカフェを通して、本人や家族を少しでも支えていきたい」と話している。
 午前10時にオープンすると、間もなくして複数の夫婦がやって来た。どちらかが認知症で、どちらかは付き添いだ。男性たちは奥のテーブルに座り、黙々と囲碁を打ち始めた。認知症になっても囲碁のルールはしっかり覚えている。
 女性は手前のカウンターに座って、スタッフたちとのおしゃべりを楽しむ。ある女性は毎週、庭に咲く花を持って来る。ある認知症の人は「家にいても誰もしゃべってくれん。ここは楽しく話ができる」と話す。
 心愛は県内で早期にオープンした認知症カフェで、毎週土曜日の午前10時〜午後3時に開設。県立すこやかシルバー病院(同市島寺町)の指定管理者の認知症高齢者医療介護教育センターが運営している。2017年度は47回開催し、837人が来店した。
 開設時からスタッフとしてかかわっている同病院の高嶋康子看護部長(53)は「毎週来る人も多く、安心できる場所として定着してきた」。ひな祭りやクリスマス会など季節の行事も開催、日々の暮らしに彩りを添えている。
 カフェの運営は、高嶋さんら専門職だけでなく、ボランティアスタッフが支えている。中には介護経験者もおり、介護に悩む家族には自身の経験を伝えている。
 県内の認知症カフェは13年度は3カ所だったが、17年6月現在は38カ所。15年に政府が策定した認知症の国家戦略「新オレンジプラン」では20年度末までに全市区町村での設置を目指している。
 高嶋さんは「認知症の人と家族を支える心のよりどころとして、これからも続けていきたい」と話している。問い合わせは県立すこやかシルバー病院=電話0776(98)2700(平日午前9時〜午後5時)。