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障害者福祉

【静岡県】

視覚障害者の避難所生活に支援「お願いカード」 静岡の協会考案

静岡新聞 2018年2月9日(金)
静岡市視覚障害者協会が考案した「お願いカード」=1月中旬、同市葵区
静岡市視覚障害者協会が考案した「お願いカード」=1月中旬、同市葵区

 災害時の避難所で視覚障害者が周囲の人と円滑に意思疎通できるよう、静岡市視覚障害者協会が「お願いカード」を考案した。混乱が予想される状況下で必要な支援を過不足なく伝えられるか―といった不安を多くの視覚障害者が抱えている実情が背景にある。同協会はまず会員に定着させ、将来的には「県内外の他協会や関係機関にも活用を広げていければ」と静岡からの普及を目指していく。
 カードはA5判で、表面に「私は目が見えません。お手伝いをお願いします」と表示。視覚障害者が避難所生活で神経を使うとされるトイレ使用▽情報入手▽移動―の3項目について、周囲に知っておいてもらいたい最低限の支援、配慮の内容を簡潔にまとめた。
 裏面は個人情報欄。平時の落ち着いた環境であらかじめ記入し、有事の際は避難所の運営責任者や職員に手渡して代筆してもらうことで、正確かつスムーズに避難者名簿登録作業ができると見通す。
 昨年8月の防災研修会で会員らが発災時の行動をイメージして意見を交わし、これを基に作成を進めた。さらに、県視覚障害者情報支援センターが9月に開いた防災フェアでも展示し、外部からの指摘を反映させた。
 同協会事務局長の土居由知さんは、阪神・淡路大震災や東日本大震災で被災した視覚障害者の経験を聞いてきた中から、「視覚障害者は周囲への気兼ねもあり、避難所で目が見えないことや支援のお願いをなかなか伝え切れない」と明かす。
 一方で、見え方の程度の差や被害状況によって異なるものの、自助には限界もある。「共助に頼る部分はやはり大きい。だからこそ、視覚障害者の側からもいざという時に要点をスピーディーに伝えていくことが大事」と話し、カードがこうした課題解決への一助になると期待する。
 同協会は本年度中に約90人の全会員に配布し、避難訓練などへ積極的に参加してカードの有効性を確認してもらうことなどを呼び掛ける。周囲の人にカードの役割を知ってもらうための取り組みにも力を入れたいという。