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障害者福祉

【岡山県】

障害者アート パリへ 鏡野・山根さん製作の「ロボット」

山陽新聞 2018年7月9日(月)
「アール・ブリュット ジャポネII」に出展する山根さん
「アール・ブリュット ジャポネII」に出展する山根さん

 専門的な美術教育を受けていない人が独自の発想や工夫で創造した作品を集めたアート展「Art Brut(アール・ブリュット) Japonais(ジャポネ)II」(東京都など主催)が、9月からフランス・パリで開かれる。出品する日本人52人の1人に、岡山県鏡野町の会社員山根暁さん(21)が県内で唯一選ばれた。幼少期に自閉症と診断された山根さんが出品するのは「ロボット」と題した造形作品。芸術の本場での展示に「障害者理解につなげたい」と喜びを表している。

 「アール・ブリュット」はフランス語で「生(き)の美術」の意味。2010年に続いて2回目となる今回は、アール・ブリュットの作品展を国内外で手掛ける社会福祉法人愛成会(東京)が東京都から委託を受け、パリ市立アル・サン・ピエール美術館を会場に9月8日〜来年3月10日に開催する。

 幼少期から空き箱を使ったものづくりなどに熱中することが多かったという山根さん。「ロボット」を作るようになったのは5年ほど前の高校生の頃で「より完成度の高いものを」と、作り直しも含めて通算30体以上を制作してきた。現在は山田養蜂場の特例子会社「ビーハッピー」(同町香々美)で働きながら、創作に励んでいる。

 作品はアニメや特撮から着想を得る。包装資材として使われる針金の入ったカラータイを骨組みに利用し、不要になったプラスチック製ファイルを切って貼り合わせ、20時間程度かけて1体(10センチ前後)を作る。首や肘、膝、指が動き、自立させて好きなポーズをとらせたり、銃や剣を持たせたりできる。

 昨年5月、県内の障害者による芸術作品展「きらぼし★アート展」(山陽新聞社会事業団主催)に「ロボット」を出品したのを機に関係者が作品を知り、今回の選出につながった。パリでは2015〜18年に制作した「ロボット」15体と、銃や剣などの小物約50点を「鉄壁(ディフェンス)」など4テーマで展示する。

 52人の作品は計約640点になる見通しで、山根さんは「見どころは『メード・イン・ジャパン』。日本人ならではの細かな作り込みを、たくさんの人に見てもらいたい」と話している。