ニュース
障害者福祉

【奈良県】

患者の思い 似顔絵に 「人生の物語」表現の一枚/奈良県立医大病院で県内初のセラピー

奈良新聞 2018年9月13日(木)
村岡さん(前列左)に似顔絵を描いてもらった木下さん(同右)ら=11日、橿原市四条町の県立医大付属病院
村岡さん(前列左)に似顔絵を描いてもらった木下さん(同右)ら=11日、橿原市四条町の県立医大付属病院

 橿原市四条町の奈良県立医科大学付属病院で11日、「似顔絵セラピー」が行われ、患者8人がその場で描かれた自身の似顔絵を見ることで癒される思いを抱いた。同セラピーの実施は県内で初めて。きょう12日も行われる。

 同院看護部と一般財団法人弘済会(同市)の共催。似顔絵セラピー考案者の村岡ケンイチさん(36)=東京都=を招いた。村岡さんは患者と会話をしながら元気だったころを想起し、人生の物語が詰まった似顔絵を描いている。

 同院入院患者の木下弘貴さん(26)は、似顔絵セラピーを楽しみにしていた一人。木下さんは小学6年の時から電動車椅子サッカーに夢中になり、強豪チーム「奈良クラブビクトリーロード」に所属する。ポジションはゴールキーパー。キャプテンも務め、平成28年にはチーム5度目の全国制覇を達成した。ただ昨年12月からは気管切開手術のためにチームを離れ、入退院を繰り返している。

 木下さんの今の目標は、12月に静岡県袋井市で開かれる選手権大会の観戦。将来的にはチームに復帰し、気管切開をした初の選手を目指している。

 村岡さんは、そんな木下さんの思いを似顔絵に込め、静岡県の富士山を背景に電動車椅子サッカーをする姿を描いた。作品を見た木下さんは「うれしい。これを励みに、12月の大会を見に行けるようにしたい」。母親の康子さん(56)は「素晴らしい機会を与えていただいた。宝物になります」と感激していた。

 村岡さんは「楽しかったときを思い出してもらうように描いている。この時間も思い出になれば」と話した。