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連載コラム
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職場のコミュニケーション力

全24回に渡って、“職場内のコミュニケーション”にフォーカスを当て、職場風土を改善するためのさまざまなヒントをお届けしてまいります。


<執筆>
株式会社メディケアソリューション
代表取締役 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第8回: 非言語的コミュニケーションの力

人の印象の大半を占める「非言語的」コミュニケーション

 コミュニケーションは大きく「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の2種類に分けることができます。「言語的」とは、文字通り話し言葉によるコミュニケーションを指し、「非言語的」とは、ジェスチャー(身振り手振り)、姿勢、動き(うなずきや振る舞い全般)、表情、声のトーン(強弱や早さ、間)などのことを指します。

 よく、人の印象は“見かけが9割”などと言われます。これに関して、「メラビアンの法則」がよく知られています。人が話す時に、相手に与える印象はボディランゲージからが55%、声のトーンからが38%、言葉そのものからは7%しかないのです。もちろん、時と場合で数字そのものの真偽はあるでしょう。しかし、相手に与える情報量は「非言語的コミュニケーション」の割合がかなりの部分を占めるのは確かなようです。

 また、私たちは話し言葉のなかで、文法や脈絡など、結構不完全に話しているものです。真意や意味がよく伝わらない時もあります。その情報不足を補うのが、「非言語的コミュニケーション」なのです。

 2020年のオリンピックは東京開催が決まりました。その際の日本の最終プレゼンに感動された方も多かったかと思います。私たちはいったいあのプレゼンの何に惹かれるのでしょうか?それはもちろん、よく練られた話の内容もそうですが、プレゼンターの表情も含むジェスチャーに思わず引き込まれるのです。これがもし身振り手振りがまったくない単なる原稿の朗読だとしたら…?どんなによい内容だったとしても、感じるものはなかったでしょう。そのくらい、ジェスチャーには力があるのです。

非言語的要素を意識することで、より相手に思いが伝わる

 試しに、相手と話しながら、相手の表情、全体的な力の入り具合、眼球の動き、汗のかき具合、手のクセ・仕草などの非言語的メッセージをよく観察してみてください。すると、背後にある思いをくみ取ることができます。話している言葉以外に、感じ取ることのできる情報はたくさんあるものなのです。

 ここからわかるのは、実は自信のなさや裏の思いというものも非言語的要素から相手に伝わってしまう、ということです。また、「何でも話してよいですよ」といいながら、時計をチラチラ気にしている素ぶりをみせてしまったとしたら、やはり言葉と動作の不一致感を伝えてしまうでしょう。話をする時に、腕や足を組んだり、のけぞったり、体を相手に向けなければ、どんなに話をよく聴いていたとしても、そのように伝わることはありません。逆に、否定的なメッセージを伝えることになってしまいます。廊下を慌ただしく走れば、相手に焦りを伝えることになるでしょう。

 そこでぜひ、人と会話をしたり何か伝える際に、非言語的要素をいつもより少し意識しながら話してみましょう。例えば、姿勢をよくし、もし座っていれば前のめり気味にしてみる。表情もいつもより意識し、場に則した笑みをみせてみる。握手をしたり、軽く肩に手を添えたりしてみる。対応や立ち居振る舞いをゆっくり落ち着いた態度にするのです。それだけで印象はかなり変わります。そして、より相手に“思い”が伝わり、説得力が増します。結果、情報がトータルとして伝わりやすくなるのです。

 相手により満足感や安心感を伝え、信頼してもらうためにも、ぜひ今回ご紹介した「非言語的な」コミュニケーションを味方につけることをお勧めいたします。

●「介護現場でのコミュニケーションを考える」 及川信哉 2010 公益財団法人介護労働安定センター
●「PT・OT のための これで安心 コミュニケーション実践ガイド」 山口美和 2012 医学書院
●「医療・福祉の現場で使える『コミュニケーション術』実践講座」 鯨岡栄一郎 2012 運動と医学の出版社


※ この記事は月刊誌「WAM」平成25年11月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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