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連載コラム
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職場のコミュニケーション力

全24回に渡って、“職場内のコミュニケーション”にフォーカスを当て、職場風土を改善するためのさまざまなヒントをお届けしてまいります。


<執筆>
株式会社メディケアソリューション
代表取締役 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第24回: 職場風土をより良く変える『GOOD & NEW』

スタッフ一人ひとりの意識が職場の雰囲気に影響する

 チーム運営を進めていくうえでは、いかに働きやすい職場環境をつくるかということが常に課題になります。そのためには、これまで学んできたコミュニケーションは当然欠かせないのですが、実はこれはあくまで表面的な要素にしか過ぎません。

 それ以前に雰囲気を左右してしまうのが、ベースとなる意識が前向きかどうか、です。これには、スタッフ一人ひとりの“物のとらえ方”が大きく関係してきます。ある人のネガティブな発言が伝染し、雰囲気を悪くする?ということをよく経験するでしょう。チームは個々の集合体であり、それぞれが影響しあっているわけですから、1人でもそのような人がいれば、チームとしての健全な営みを阻んでしまいます。

 これを少しでもよい方向に変えるために、とても面白い方法があります。それは、実際に私が以前いた施設でもやっていた、『GOOD & NEW』です。

 これは朝礼やミーティングなどのアイスブレイクの手法なのですが、司会者がその日順番に当たった人に特殊なボール(クッシュボール)を持たせ、「この24時間で起こった、よいことや新しいことは何ですか?」と質問します。そして、それに答えるわけです。それを聞き終わった後、周りの人は拍手します。

 この質問をされると、「よいことなんて、別にないよ…」と、大概の人は困ります。実は、ここが物のとらえ方のトレーニングになるのです。つまり、普段起こっている何気ない現象をどのようにとらえるか、ということです。私たちの日常は、いつもそんなに楽しい出来事ばかり起こるわけではありません。しかも、今この瞬間に24時間以内を振り返って探し出す、なんていう視点は今までなかったはずです。

 この取り組みを続けていくと、よいところを探すことが上手になってきます。後ろ向きな性質というのは、何十年と培ってきた、その人の思考パターンです。感情は、物ごとに対してどのような意味づけをしているのかの反映ですから、これによって意識の焦点をよい方向に変え、よい解釈をすることにもつながります。また、拍手をするということは承認の行為なので、「ああ、こんなこと言ってもよかったんだ」という、その場に受け入れられている気持ちを醸成することにもつながります。何より、このGOOD&NEW によって、ある方の答えを周りの人が聞き、「へー、そんなことがあったんだ?」などと、次の会話のきっかけにもなります。その人の意外な側面を知ることにもなるのです。

根本がネガティブであれば結果は変わらない

 私たちが普段働いていると、さまざまな課題や新たな取り組み、変化に対して、どのように対処していくかが常にテーマとなります。そこで物ごとのプラスとマイナス、どちらの面を見るのか? これは、いかにコミュニケーションを交わそうとも、根本がネガティブであれば、それは根底にあるスタンスですから、結果は変わらないわけです。

 また、単に申し送りや最低限の仕事の話しかしない、という職場も殺伐としてくるものです。なぜなら、その人の「人間」の部分が感じられないからです。とくに朝の時間帯はまだ心身ともにスイッチが入っていない状態、硬い状態ですので、このように視点を一瞬で切り替えてくれるような取り組みは非常に面白いのです。

 もし本気でチームや職場の雰囲気を変えたいと思うのであれば、誰かが音頭をとって、このような、思わず笑顔になってしまうような取り組みをしてみるのも一つの手です。ぜひ楽しんで、オープンマインドでやってみてください。

『あなたがこの24時間で起こった、よいことや新しいことは何ですか?』。

●『こうすれば組織は変えられる!』 ピーター・クライン バーナード・サンダース 今泉敦子[訳]
  2002 フォレスト出版株式会社
●『成功者の告白』神田昌典 2006 講談社


※ この記事は月刊誌「WAM」平成27年3月号に掲載されたものです。
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