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第3回: 計画的な建物管理に向けて「建物年表」をつくり、定期学習会を実施しよう

「はじめに」

 今回は、前回までの基本書づくりと建物機能劣化診断を踏まえ、計画保全と計画修繕に向けての必要資料の整理について、ご提案いたします。

提案ステップ その3

専門技術者の現地調査と建物の現有能力を査定した結果を踏まえ、計画修繕の指標となる資料を整えましょう。
 人それぞれに歴史を刻む「年表」があるように、建物にも「年表」があります。そして、その段階ごとに費用が発生します。大抵の方は、新築竣工したら、建物に対して意識が薄くなることと思いますが、建物というのは「氷山」と一緒で、見えている部分より見えていない部分の方が大きいのです。建物生涯コストで維持管理費が多くかかるということに振り返ることが、「かしこい建物管理」を実践するうえで大切になります。  私どもが実践している「建物計画修繕周期表」と「計画修繕コストシミュレーション」、「保全計画書」を紹介しながら、建物の「年表づくり」の必要性をご説明いたします。

●「建物計画修繕周期表」とは

 建物には数多くの部材ならびに機器等が使用されていますが、それぞれに維持管理上の修繕や改修時期は異なり、物によってはメンテナンスフリーの物もあります。建築、設備と区分し、各部位・機器ごとに整理ピックアップしたうえで、約15年を一定の周期として年表を作成することで、維持管理における数多くの「落とし物」に気づくことがあります。
 私どもは、この年表を「建物計画修繕周期表」と称して、建物維持管理の基礎資料として継続活用しています。この周期表により、どの時期にどういった改修・修繕を必要とするかを常日頃から確認できるうえに、早めの予算措置や適正な予算執行といった計画的な維持管理の指標として活用することができます。
 また、とくに設備機器等については、周期表をもとに必要な時期に必要な点検・整備・交換を適切に行うことで、故障を未然に予防し、突発的な機器停止による運営上のリスクや緊急対応による修繕コストアップの回避につなげることも可能になります。


●「計画修繕コストシミュレーション」とは

 建物年表なる周期表を作成したら、それをもとに専門業者や専門技術者に見積徴収をするなどのサポートを受け、修繕周期に基づいて、年度ごとに必要となる修繕費用を組み込んで維持管理のコストシミュレーションを作成します。
 これをもとに積み立てや補助金制度の活用などを企図することで、計画的で無理のない修繕計画を立案できるだけでなく、建物ニーズ劣化に対する大規模改修工事の時期などの判断材料にも活用できます。簡単なものでもよいので、作成すると合理的な計画修繕の第一歩となりますので、ぜひお試しください。


●「保全計画書と保全シミュレーション」とは

 建物保全(メンテナンス)においても、分解整備や部品交換等の保守および更新に大きな出費を必要とするものがあります。保全計画書に必要な項目を整理し、これに関しても専門業者の見積徴収等をし、いつ頃、どのような対応に、どのぐらいの費用が必要になるかを把握します。
 特殊建築物調査や消防点検調査を定期の届出調査で終わらないようにすることも、保全計画では大切な要素と考えます。作成した保全計画書は「計画保全」に有効活用できます。大きなものだけでもよいので、台帳化することをお勧めします。
 また、作成した保全計画書に保証が付されている部材や機器等の保証年数を同時に記載し、保証前点検などをメーカーとともに実施することにより、大きな出費の抑制や部材、機器等を延命させることが可能になります。


●「学習会」の実施は職員の意識改革に有効

 医療・福祉施設の建物維持管理をみると、施設長や事務長といった管理職の仕事に組み込まれていることが多くあります。業務が多忙なうえに、気づかないことや緊急対応などで悩まれ、相談を受けるケースが多くあります。しかし、一人ひとりの職員が施設維持管理に対する意識を少しもつだけで、実はよい相乗効果が生まれます。  私どもは建物維持管理コンサルタントのなかで、職員の方に向けて建物で実際に起きている施設管理の事例などを示した学習会を実施していますが、職員の指摘により未然に予防ができたり、意識改革につながった事例が多くあります。

 施設管理の基本書と周期表などを作成したら、そのような学習会を設けられることを推奨いたします。


※ この記事は月刊誌「WAM」平成26年6月号に掲載されたものです。
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