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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第5回: 組織を変える「効果的な質問」の力

「何をいかに質問するか」が重要なポイント

 「質問」は、数あるコーチングスキルのなかでも肝となる部分であり、とくにマネジャーは身につけたいスキルである。例えば、日常的な会話のなかで、カンファレンスや会議のなかで、個人面談の場で……。相手とのやり取りのなかで自然に(だが意図的に)質問を織り交ぜる。試す場面・トレーニングする場面はいくらでもあるのだ。

 コーチング的な質問とは、相手に新たな視点や気づきを生み、行動を起こさせるような質問である。人は、質問されることにより、新たな思考が始まる。そして質問によって意識の焦点が変わり、意欲も引き出されるのだ。

 現在、私自身もコーチングを受け、また逆に提供する立場でもあるが、仕事上で何気なくされる、いわゆる「するどい質問」に、大きな気づきや刺激を受けることがある。「今、どんなことをテーマ(課題)にしてるの?」「君はどう考える?」などと急に振られると一瞬ドキッとするのと同時に、思考をフル回転させて、なんとか答えをしぼり出そうとする経験をする。逆に私からも「調子はどう?」「具体的に言うと?」「どんなイメージでいく?」など、なるべく質問形に変えてスタッフに声かけしていく。すると、相手から意外によいアイデアが出たり、表情が瞬時に変わったりするものだ。

 マネジャーとしては、仕事のなかでいかに問題解決するか、いかに的確な指示をするか、そしていかにアドバイスするか、ということに当然注力するし、むしろそれこそが管理職の役目であるとも捉えられている。しかし、それももちろん重要だが、「何をいかに質問するか」も同様に重要なポイントなのである。

効果的な「未来・肯定型」の質問

 実際の手法としては、まず手始めに5W1Hによるオープンクエスチョンで質問を投げかける。これにより答えに幅が生まれ、相手に思考を生み出すきっかけをつくる(ただ、「なぜ」「どうして」は原因を短刀直入に突き詰めるのには有効だが、場合によっては責められている印象を与えるので、注意が必要である)。また、矢継ぎ早に質問を続けることも圧迫感を与える。質問はシンプルに、1回に1つが鉄則である。

 質問の内容は、否定的な言葉は極力使わず、「これからどんなことをしたい?」「今できることって何?」のように、未来志向かつ肯定的にすると効果的である。この「未来・肯定型」の質問は相手の焦点をプラス方向に向ける働きがあり、モチベーションを生み出す。

 そして、質問を投げかけた際は、(第3回目でもご紹介したように)相手の返答は否定せず最後までじっくり聴き、承認することが重要である。くれぐれも答えやすい雰囲気・間・場づくりが必要となる。また注意すべきは、単なる自分の興味による意味のない(意図のわからない)質問は控えることだ。

 コーチングの理念である、「答えは相手のなかにすでにある」を信じ質問を投げかける。まずは相手の考えを聞いてみる。それによって、必ずやなんらかの答えが生み出され、相手の成長を促すきっかけとなるはずである。ぜひ日々の業務のなかでトライされることをお勧めしたい。

●「相手と自分の焦点をシフトする、効果的な質問」 作業療法ジャーナル5月号 鯨岡栄一郎 三輪書店 2011
●質問力ノート ルパート・イールズ=ホワイト 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 2004


※ この記事は月刊誌「WAM」平成23年8月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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