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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第13回: コーチングとはいったい何なのか?― その実際

コーチングの基本スタンスは「Y理論」

 昨年4月号から1年間、連載させていただいた当コラムだが、今一度おさらいしながら、施設経営者や管理職のためのコーチングについて、さらに理解を深めていきたいと思う。

 まず、「対部下」ということを考えるとき、あなたはどちらの立場をとるだろうか?「人は基本的に怠惰であり、アメとムチによってコントロールしない限り動かない」という立場か。または、「人は基本的に勤勉であり、条件や環境さえ整えば、とくに言われなくても自発的に動く」という立場だろうか。前者は「X理論」とよばれ、後者は「Y理論」とよばれる。コーチングでは、どちらかというと「Y理論」の立場をとる。「答えは相手にすでに備わっている。今は可能性が眠っているだけで、絶対にできるはずだ」。そう信じて関わるスタンスである。「ピグマリオン効果」といい、相手に能力があるように関わるから、その人も期待されたように成長する、という考え方がある。もちろん、職員本来の質の問題も当然あろう。それも重々わかる。しかし、状況が許す限り可能性を信じて関わる。それが難しければ、徹底したティーチングに切り替えればよい。

 コーチングには、これまでにご紹介してきたような各「スキル」と上記のような「あり方」の側面とがある。私自身の経験から、成果を出すチームづくり、活気のあるチームづくりをするためには、スキルはもちろんだが、リーダー自身のあり方、スタンス、姿勢がとても重要となる。リーダーが一緒にいるだけでスタッフが思わず元気になっている。笑顔にあふれている。自発性が高まっている…。そんな状態になったら、いかがだろうか?

 そのためには、どうやったら相手が喜ぶのか?そこを察知して、こちらからしてあげる。相手の強みはどこにあるのか?そこを発掘し、伝えてあげる。相手はどうしたいと思っているのか?そこを引き出し、開花させる。それには観察眼が必要であるし、それに伴う気づかいや優しさや思いやりが必要である。的確な伝達力も必要だ。

コーチ型マネジャーの存在意義とは

 次に、「コーチ」という存在の意味である。人は、何かに向かって進んでいくとき、確かに1人でもできなくはない。だが、ともに伴走してくれる存在がいると、それだけで心強く、確実に、しかも想定していた以上のスピードとパフォーマンスでゴールに向かうことができる。また、目標となるモデルのような存在も、自分の基準を引き上げてくれ、行動力に火を点ける。昔から、達人には師匠やメンターがいた。スターウォーズの主人公ルーク・スカイウォーカーにはヨーダがいた。サッカー日本代表にはザッケローニ監督がいる。なでしこJAPANには佐々木則夫監督がいる。水泳の北島康介選手には平井伯昌コーチがいる。ならば、あなたの組織におけるコーチは誰だろうか?それは他ならぬ“あなた”なのだ。

 それがまさに、コーチ型マネジャーの存在意義である。私たちは結局のところ、感情によって行動が左右されやすいものだ。単に「これやってね」だけでは感情にまったく火は点かないし、ただ言われたからやる、という状態でしかない。逆に「何で私が?」と言われてしまうこともあるだろう。そこにモチベーションなど存在しない。今、とくに若い人たちは何かにつけ「意味」を求めているし、「認められること」を渇望している。先がみえないこの世の中で、自分がどうしたらいいのか、迷ってもいる。私たちが部下にとってのコーチ役となることで、そこから組織に良循環が生まれるのではないだろうか。

●「コーチングの基本」 鈴木義幸 コーチ・エィ 日本実業出版社 2009
●「部下を伸ばすコーチング」 榎本英剛 PHP研究所 2005


※ この記事は月刊誌「WAM」平成24年4月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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