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介護分野でのICT活用


 全6回に渡って、国内・海外の導入事例を解説しながら、介護分野のICT化に伴う課題や導入のポイントについてお届けします。


<執筆>
株式会社国際社会経済研究所 情報社会研究部 主幹研究員 遊間 和子 氏


第4回:日本で進む介護のICT化

 第3回は、オランダでの介護分野の新しい動きについてご紹介しました。高齢者の自立を促すとともに、介護者の負担を軽減するICT活用は、日本でも多くの取り組みが進んできています。第4回は、IoTといったセンサー技術や人工知能AIなどの最先端技術を中心に、具体的な事例をご紹介していきたいと思います。

穿くロボットcurara®

 歩行を支援するロボットは、高齢者・障害者の社会参加を促すとの期待が高い技術のひとつです。信州大学繊維学部の橋本稔教授は、歩行支援によって一人でも多くの人々が「できる限り長い間、自分の足で歩行できる」ようになることを目指し、ウェアラブルロボットcurara® の開発を2008年から進めています。現在開発中の「curara® パンツタイプ」は、軽量でソフトな素材を使い衣類のように装着できることが特徴の歩行支援ロボットとなっています。



 介護用途のロボットも多くの製品がでてきていますが、非常に重い、動きがぎこちない、専門家の助けを借りなければ正しい位置に装着ができない等、高齢者が気軽に利用できるものは多くはありません。curara® パンツタイプは、モータとコントローラーを軽量・小型化し、ズボンと一体化させることで、装着者が自分自身で衣服のように着脱することができ、装着の簡便性を高めています。また、ウェアラブルロボットは、装着者の動きにあわせて「歩く」、「階段を上る」、「物を持ち上げる」などの多岐にわたる日常動作をアシストする機能が求められますが、curara® は、相互作用トルク検出方法というセンサー技術を利用することで、人とロボットが融合した動きやすく自然な動きができることも大きな特徴となっています。今後、さらなる改良を加え、企業や医療・介護施設と協力しながら製品化を進めています。

IoTを活用した患者・利用者の見守り「スマートベッドシステム™」

 パラマウントベッドが2016年から販売している「スマートベッドシステム™」は、ベッドに搭載された非接触センサーにより患者・利用者の生体情報やベッドの状態を一元管理し、リアルタイムで情報を測定・管理することができるシステムです。マットレスの下にあるセンサーによって、患者の在不在、呼吸・心拍・睡眠状態などを連続記録するだけでなく、通信機能を持つ体温計、血圧計、血糖測定器をベッド横の端末機器にかざすことで計測データを自動記録することができる仕組みになっています。これらのデータは、スタッフルームから遠隔で集中管理することができ、看護職や介護職が行っているベッドの状態把握・記録業務の負担軽減につなげることができます。自動記録は、省力化だけでなく、転記ミスも防止することができ、さらに、収集した各種データを分析することで容体急変の予兆を把握するなど、看護・介護の質の向上にもつながるシステムとなっています。

認知症ケア「ユマニチュード」の普及にAIを

 静岡大学発のベンチャー企業「デジタルセンセーション」が取り組みをスタートしたのは、フランス生まれの新しい認知症ケア「ユマニチュード」の技法を普及させるための人工知能AI活用です。ユマニチュードは、「見る」、「話す」、「触れる」、「立つ」を4つの柱としたコミュニケーション技法に基づいており、立位補助、食事介助、清拭、入浴、更衣などの実践的な技術で構成されています。ケアを拒否したり、スタッフに暴力的な態度をとってしまう認知症患者と円滑なコミュニケーションが図れることもあり、ユマニチュードが持つ有効性と可能性に対する期待は大きく、この技法を取り入れる国内の医療・介護機関も増えてきています。デジタルセンセーションは、もともとユマニチュードの普及のため、日本での研修や実技指導を行っていましたが、より多くの人々にユマニチュードを学んでもらうために人工知能AIを活用しています。研修では、ケア実践中の様子を動画で撮影し、視線、手の触れ方、立ち位置などをフィードバックし指導していますが、この動画を人工知能AIで画像解析することで、実技指導を自動化しようとするものです。これにより、ユマニチュードを一般家庭にまで普及することを目指しています。

AI活用でケアプラン作成を効率化・高度化

 在宅での介護が必要であると認定された場合、ケアマネジャーがケアプランを作成し、それに基づき、サービスが提供されます。ケアプランは、本人や家族が作成することも可能ですが、実際には高い専門知識が必要であり、ケアマネジャーが作成することがほとんどです。専門家であるケアマネジャーであっても、業務や手続きが煩雑であることから手作業で行っている方は少なく、ケアプランの作成機能がある介護ソフトを利用するのが一般的です。セントケア・ホールディングでは、今年3月に新会社「シーディーアイ」を設立し、人工知能AIを活用することで、ケアプランの作成をより効率化するとともに、要介護者一人ひとりの体調や症状にマッチした内容となる技術を開発することを発表しました。人工知能AIにより、過去のケアプランを学習し、要介護者の自立促進等に繋がるケアプランを生成して提供することが可能となり、自立支援等に繋がるケアマネジメントが実現できるとしています。

診療報酬改定で最先端技術も評価

 このように、介護の現場においても、最先端技術をさまざまに利用することが可能になってきています。しかし、実際に導入するためには、診療報酬や介護報酬といった社会保障制度の中でそれらの技術が評価され、支払の対象とならなければなりません。
 現在、審議がされている2018年度診療・介護報酬同時改定は、今後の医療・介護施策において大きな節目となるものです。安倍首相は、2017年4月に開催された未来投資会議の中で、「人工知能AI、ロボット、ICT等を活用した新しい医療を次の診療報酬改定でしっかり評価する」とし、さらに「自立支援におけるデータ活用やロボット利用に対して、介護報酬や人員配置基準などの制度で後押しする」とも発言しています。最先端技術の活用に対してきちんと報酬がつけば、これは大きなインセンティブとなりますので、次期報酬改定への期待が高まるところです。

※ この記事は月刊誌「WAM」平成29年7月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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