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【京都府】

高齢者+若者=支え合い “次世代下宿”広がれ

京都新聞 2017年2月27日(月)
談笑する水野さん夫妻(手前2人)と岡本さん=京都市北区西賀茂
談笑する水野さん夫妻(手前2人)と岡本さん=京都市北区西賀茂

 高齢者が自宅の一室を若者に貸し、交流しながら同居する次世代下宿「京都ソリデール」事業を京都府が進めている。1月に京都市北区で初の同居が始まった。若者と高齢者が支え合う新たな試みで、学生が全国から集う京都で今後、どこまで広がり定着するのか、動向が注目される。

 次世代下宿はヨーロッパ発祥で、日本では福井県や東京都でNPO法人などが既に取り組んでいる。ソリデールはフランス語で「連帯(の)」の意味。若者は低家賃で下宿ができ、高齢者には見守りや住居の有効活用という利点がある。

 府は若者の将来的な定住化につなげたい考えで、2015年度から事業を準備してきた。下宿する部屋の整備などにかかる住宅改修費用を最大90万円まで補助する制度も設けた。

 1月に初の同居が始まり、京都工芸繊維大(左京区)1年の岡本和哉さん(19)が、北区西賀茂の水野良樹さん(68)と美代子さん(71)夫妻の家に同月8日から住む。岡本さんはそれまで、実家の奈良県大和郡山市から片道1時間半かけて大学に通っていた。「ぎりぎり通える距離だが、学業や所属する学生団体の活動を考えると下宿したかった」と話す。水野さん夫妻は過去にも友人の子どもの下宿を経験しており「2人暮らしより、若い人がいた方がにぎやかで楽しい」と今回引き受けた。

 家賃は月2万5千円。家でのルールはあえて決めず、不都合が生じた時に話し合う。生活は順調といい、美代子さんは「家族ではないので適度な気遣いは必要だが、お互いの気が合うことが大切」と感じている。岡本さんは「大学まで自転車で片道30分になった。今まで朝も夜も余裕はなかったが、水野さんとゆっくり食事も楽しめるようになった」と喜ぶ。

 同事業は22日現在で独居を含む8世帯の高齢者が受け入れ先として登録し、15人の学生や大学入学を控えた高校生が同居希望を届け出ている。学校との距離など双方の事情を踏まえ、今マッチング作業中だ。府は新年度から府全域での本格的な展開を目指している。問い合わせは府住宅課TEL075(414)5358。