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【広島県】

外出困難な高齢者に本無料宅配 府中市立図書館上下分室

山陽新聞 2016年1月20日(水)
府中市立図書館上下分室の福本さん(左)から宅配サービスの本を受け取る夫婦=昨年12月
府中市立図書館上下分室の福本さん(左)から宅配サービスの本を受け取る夫婦=昨年12月

 広島県府中市立図書館上下分室(同市上下町上下)は、外出が困難な地域のお年寄りに本の無料宅配サービスを続けている。利用者からは「これがあるから読書できる」「体が悪いので助かる」などと好評。上下分室は「地域ならではの取り組み。住民のニーズに今後も応えたい」としている。

 

 「こんにちは。今日も来ましたよ」。昨年12月上旬、上下分室職員の福本知泰さん(62)らが移動図書館車を運転し、同町の夫婦宅を訪問。小説や童話15冊を手渡した。

 

 若井さん夫婦は自宅から約6キロ離れた分室を、これまで乗用車やバイクで訪れていたが、2014年4月に運転免許証を自主返納したことでサービスを利用する。2人とも月に20冊近く読んでおり、「本は私たちの生きがい。高齢者を大事にしてくれてありがたい」と喜んでいた。

 

 上下分室は本を積んだトラックで町内の野菜直販所など立ち寄る場所(ステーション)を決め、定期的に巡回する移動図書館を1995年から実施している。だが高齢化が進み利用は減少。「足が痛くてよう行かれん」といった声も聞かれるようになったという。

 

 「本を読みたい人たちの力になりたい」。上下分室は2013年10月に宅配サービスを開始。町内に住む70歳以上の高齢者、またはステーションや図書館に来ることが難しい人を対象に、原則1回につき10冊以内を1カ月貸し出している。宅配日やどの本にするかは希望に応じ、話し合って決める。

 

 利用者数は14年度が延べ147人、673冊。15年度上半期(4〜9月)も延べ108人、557冊と好調だ。

 

 福本さんは「住民との交流や見守り活動の一環にもなる。気軽に利用してほしい」と話している。サービスの申し込みを受け付けており、問い合わせは府中市立図書館上下分室(0847−62−8805)。