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【宮城県】

<東北福祉大>障害者訪問し在宅介護に触れる

河北新報 2017年2月17日(金)
学生たちと交流し、笑顔を見せる憂太さん(左)=13日、仙台市太白区
学生たちと交流し、笑顔を見せる憂太さん(左)=13日、仙台市太白区

 看護師や保健師を志す東北福祉大の学生らが重い障害がある人の自宅を訪ね、介護の現場を体験した。福祉を学ぶ学生でも、在宅介護の実情に触れる機会は少ないといい、参加した学生たちは「貴重な経験になった」と口をそろえた。

 訪問したのは、同大健康科学部保健看護学科の工藤洋子講師(在宅看護)とゼミ生の女子学生3人。脳に重い障害を負った遷延性意識障害の患者家族らでつくる「宮城県ゆずり葉の会」を通じて面識のあった仙台市太白区の阿部順一さん(51)宅に赴いた。
 阿部さんの長男憂太さん(30)は高校2年だった2004年2月、下校途中に交通事故に遭い、重い意識障害となった。順一さんの献身的な介護で口から食事が取れるようになるなど、症状も少しずつ改善している。
 40歳未満のため介護保険の対象とならない憂太さんについて、学生らは「ケアマネジャーが付かないが、ケアプランはどうしているのか」などと質問。阿部さんは「息子の状態は自分が一番詳しいので、自分でプランを考える。行政機関は申請主義で、こちらから申請しないと支援が受けられない」と説明した。
 その後は憂太さんに声を掛けて談笑したり、体をさすったりして交流した。保健師を目指す3年生の清水寛子さん(21)は「在宅介護の制度が整っていても、適切な情報提供がなければつまずきかねないことが分かった」と話した。
 工藤さんは「在宅介護の現状を目で見て耳で聞き、心で感じることで、将来現場に出た際にニーズに応えられるようになってほしい」と学生たちに期待した。