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【鳥取県】

介護予防へ山陰両県14市町制度化 ポイント換金拡大

山陰中央新報 2017年5月19日(金)
ボランティアで朗読する大前恭子代表(左)=米子市和田町、ふる里
ボランティアで朗読する大前恭子代表(左)=米子市和田町、ふる里

 山陰両県の自治体で、健康増進による介護予防や引きこもり防止を目的に、ボランティア活動や健康教室への参加でためたポイントを現金や商品券などに交換する制度が広がっている。2017年度に導入する安来、松江両市を含む14市町が実施。高齢化社会の進展で膨らむ社会保障費の抑制に加え、住民の交流、生活を支え合う動きに期待し、参加を促している。

 4月下旬、米子市和田町の介護施設「ふる里」の一室に利用者14人が集まった。2カ月に1回の朗読の日で、近くの大前恭子さん(78)ら和田公民館朗読の会のメンバー6人が「さるかに合戦」の紙芝居を始めると、利用者は身を乗り出して聞き入った。

 14年度、ボランティアをした65歳以上を対象に始めた米子市では1人が1年間で最大50ポイントためられ、5千円を上限に換金できる。登録は約90人。市は17年度、事業費約20万円を充てる。

 代表の大前さんらが1時間の活動で得たのは1人1ポイントで、100円に相当する。年間2千円以上に換金する大前さんは「活動は自分にとっても励み。交換したお金で喫茶店のコーヒーを飲むと、また活動を頑張ろうという気が湧く」と笑った。

 同様のポイント交換制度は07年に東京都稲城市が始め、国が交付金で後押しし、16年度までに282自治体が導入した。

 山陰両県では17年度、島根県が5市町、鳥取県は9市町が行う。同県南部町はボランティアの内容によって現金か商品券を選べ、島根県邑南町など5町は町内の商店で使える商品券と引き換える。松江市など6市町は換金する仕組みだ。

 制度は健康寿命を延ばして社会保障費を抑えるとともに、人口減や高齢化が進む両県では地域活性化や地域を支える人づくりにつながるとして広がりをみせている。

 同県吉賀町では筋力や運動機能を含む健康測定の結果に合わせ、受講する介護予防教室を選択。受講するとポイントがたまり、500ポイント以上で町主催の日帰り旅行に参加できる。鳥取県日南町は介護施設の掃除などボランティアで得たポイントに応じ、3千〜5千円相当の町内産の米やトマトの加工品などと交換する。

 事業費400万円の松江市は、団体が住民の居場所づくりとして行う「なごやか寄り合い事業」の開催も対象にし、団体でポイントをためられるようにした。保健福祉課の湯町信夫課長は「地域活動やボランティアの裾野が広がってほしい」と話している。