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【栃木県】

高齢者の運転免許返納 栃木県内自治体、効果的支援を模索

下野新聞 2017年5月19日(金)
電動アシスト自転車を点検してもらう小山さん(左)。毎日のように乗っているという
電動アシスト自転車を点検してもらう小山さん(左)。毎日のように乗っているという
電動アシスト自転車購入 ユニーク助成も
 車社会の本県で高齢ドライバーにどう運転免許の返納を促すか−。返納者への支援策を巡り下野新聞社が行ったアンケートから、有効な対策に向けた県内市町の試行錯誤が見えてきた。電動アシスト自転車の購入費に補助するユニークな取り組みもあり、返納者からは「体を動かすことにもなる」と好感する声も聞こえる。一方、専門家は「返納者は今後も増える。これを契機に地域の公共交通の在り方をもう一度見つめ直しては」と問題提起する。
 「坂道も楽々で快適。もう普通の自転車には戻れない」。足利市中川町、主婦小山美江(こやまよしえ)さん(77)は2月に買った電動アシスト自転車がお気に入りだ。
 30年以上バイク(原動機付き自転車)を愛用してきたが、最近はブレーキが遅れ気味になり運転に不安を覚えるようになった。10月の更新を前に免許の返納を決意。代わりの自転車を求めに訪れた自転車店で市の「健幸アシスト事業」を知り、申請を手伝ってもらって購入した。
 同事業は2016年度に市が始めた返納支援策だ。市営バス回数券4千円分の交付や、電動アシスト自転車の購入費補助(上限1万5千円)などをしている。初年度は購入費補助に返納者から24件の申請があった。市は「バスなどより車からの乗り換えの方が抵抗感は少ないはず」。自転車店などの協力を得て今後も周知に努める考えだ。
 小山さんは買い物や通院などで毎日のように乗車。遠出の際は近所に住む息子夫婦が車を出してくれるため不便は感じていない。「高齢ドライバーの事故は人ごとには思えない。大変なことになる前に周囲が気付いてあげたら」と願う。
 県内市町は公共交通料金の減免を軸に、手探りで対策に当たっている。岡山大大学院の橋本成仁(はしもとせいじ)准教授(都市交通計画)は「法改正で高齢者の免許更新のハードルが上がったこともあり、返納者が今後増える可能性がある。車の生活に慣れた高齢者の移動ニーズに耐えられるよう、公共交通や生活支援の形を磨き上げることが求められる」と指摘する。