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【岡山県】

外国人向け介護の実践会話教材作成 岡山のNPO

山陽新聞 2017年6月19日(月)
介護現場で働く外国人技能実習生向けに作られた教材「日本でがんばります!!」
介護現場で働く外国人技能実習生向けに作られた教材「日本でがんばります!!」

 人手不足が深刻な介護現場で11月から、外国人の技能実習生が働けるようになるのを前に、岡山県内の外国人支援などに取り組むNPO法人・メンターネット(岡山市北区南方)は、現場で必要となる実践的な会話を実習生が学ぶ教材「日本でがんばります!!」を作った。厚生労働省によると、介護実習生向けのテキスト作成は全国でもまだ珍しいという。

 介護実習生は高齢者とのコミュニケーションが重要になる。このため、行政書士や社会保険労務士らで組織し、他職種の実習生からの相談対応などをしている同法人が「立ちすくむことなく働くための助けになれば」と教材作りを発案した。

 日本語教育を専門とする山陽学園大の山根智恵教授と山口大准教授らが執筆。現制度の枠内で外国人留学生をアルバイト雇用している介護サービス提供会社・創心会(倉敷市茶屋町)の介護福祉士宮内祥さん(38)が、介護現場で交わされる会話などについて助言した。

 完成した教材は会話を暗記する方式で、基本的な言葉を理解することができる日本語能力試験4級レベル。あいさつをはじめ歩行や入浴、食事、トイレの介助、おむつ交換、認知症患者への対応など20の場面を想定している。

 「お湯を足した方がいいですか」「次はおかゆを食べましょう」といった具体的な声の掛け方を紹介。スタッフ間で使う専門用語の分かりやすい言い換えや動作を促す際の丁寧な言い回しなど、言葉遣いを中心に場面別のポイントも記した。

 A4判横書き、80ページで100部作成。英語、タガログ語、ベトナム語、インドネシア語版各30部も作った。実習生の受け入れを望む団体に1部千円程度で配る予定。

 メンターネットの岡崎博之理事長は「関係者が連携して仕上げた力作」とし、山根教授は「日本で初の介護技能実習生が活躍できる先進県に岡山がなるために役立てば」と話している。問い合わせは同法人(086―280―6076)。

 介護分野の外国人労働者 これまでは経済連携協定の枠組みで受け入れている。国は、国内で技能実習に励む外国人への人権侵害に罰則を設け、受け入れ先への監督を強化する外国人技能実習制度適正化法の施行(11月)に合わせ、同実習の対象職種に介護を加える。留学生が介護福祉士の国家資格を取れば日本での在留資格を取得できる改正入管難民法も9月に施行され、介護現場で働く外国人は増える見込み。