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【山梨県】

介護支援テレワークで 甲府の事業所が導入「外でもケアプラン」

山梨日日新聞 2017年9月13日(水)
事業所以外の場所で仕事をする「テレワーク」を推進する清水光夫さん=甲府市内
事業所以外の場所で仕事をする「テレワーク」を推進する清水光夫さん=甲府市内

 インターネットなど情報通信技術(ICT)を活用し、職場以外の場所で働く「テレワーク」を導入した居宅介護支援事業所がある。甲府市上阿原町の「ケアプラン・マヴィ」。同事業所のスタッフはそれぞれ自宅や外出先で利用者のアセスメントや書類の作成など仕事をこなしている。代表の清水光夫さんは「働きやすい職場づくりに取り組み、介護に関わる仕事の魅力を発信したい」と話す。〈戸松優〉

 利用者を訪問する合間に立ち寄ったのは、甲府市内の図書館。清水さんはかばんからノートパソコンを取り出し、介護ソフトを立ち上げた。外出先でも専用のソフトを使えば、利用者のアセスメントやケアプランの管理、担当者会議の記録もできる。清水さんはケアプランを作成するため、訪問した利用者の生活状況や意向をソフトに入力していった。

◎厳重に情報管理
 清水さんは2年半前まで、施設長として有料老人ホームに勤務。介護職が働きやすい職場をつくりたいと2015年6月に事業所を立ち上げた。同事業所の利用者は甲府市、笛吹市、中央市など9市町にわたる。スタッフは訪問のための移動時間も長いことから、「職場に縛られない働き方にシフトすることで、生産性が上がるのではないか」と立ち上げ当初からテレワークの推進に力を入れ、昨年からは週休3日制も採り入れる。
 「在宅勤務制度」として規定を設け、スタッフには業務の進行状況をメールなどで報告することや厳重な情報管理などについて求めている。利用者に寄り添った計画を作成するため、スタッフ同士電話やメールで情報交換をしながら、週に1度は事業所での打ち合わせも欠かさない。
 小林由美子さん(62)は今年3月に入社。10年以上ケアマネジャーとして働いてきたが、家族の介護や孫の育児が重なり、家庭と仕事の両立に悩みを抱えることも多かったという。年齢を理由に、ケアマネジャーの仕事を辞めることを考えていたが、「在宅勤務であれば続けられる」とこの職場を選んだ。パート従業員として午後1時から約5時間の勤務をこなす。
 「出勤時間が節約できるだけで仕事の効率はよくなる。テレワークであれば、子育て中の女性や定年後の高齢者も働ける可能性があるのではないか」と話す。

◎実現2%どまり
 総務省の15年版情報通信白書によると、テレワークのための制度や仕組みを導入していると回答した企業は7・9%。業種別に見ると、情報通信業で導入している企業は2割を超える一方で、医療福祉職では「テレワークに適した職種がない」との回答が6割を超え、導入企業は2・5%にとどまる。
 清水さんによると、利用者の突然の病気やけがなどにも対応するケアマネジャーは心理的負担も大きい。介護業界では人材不足も課題となっている。清水さんは「働き方を柔軟に変えていくことで、働き手の負担を和らげ、介護の仕事の魅力を知る機会にもなってほしい」と話す。