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【青森県】

青森市のNPOが子育て家庭の家事代行

東奥日報 2017年9月14日(木)
佐々木さん(左)の自宅で料理のサポートをする橋本さん
佐々木さん(左)の自宅で料理のサポートをする橋本さん

 産前産後や共働きの家庭を応援−。青森市のNPO法人「子育てオーダーメイド・サポートこもも」は、専門の研修を受けたヘルパーが料理や掃除などの家事を代行する有償ボランティアを行っている。産前産後の家庭を対象に青森市内で2010年に開始し、昨年から弘前、八戸両地区にも拡大。今年からは子どもが1歳以上の家庭向けのコースも設けた。代表の橋本歩さん(39)は「お母さんが心の余裕を持つことで、家庭や親子関係がうまくいくこともある。つらい時には頼ってほしい」と話している。
 「使ってほしい食材はある? サバがあるから焼いておこうか」。「うん、お願いします」
 8月中旬、生後約2カ月の長男悠貴ちゃんを育てる青森市の佐々木志保さん(35)の自宅を橋本さんが訪ねた。冷蔵庫の中にある食材でメニューを決め、早速台所に。2時間でサバ焼きのほか、きんぴら、油揚げと長ネギの煮物、シイタケの豚肉巻きなど10品ほどを作り上げた。授乳中の佐々木さんを気遣い、野菜が多く油は控えめ、薄味の体に優しいメニューだ。
 同事業は、産前産後の体調が優れない時期にこそ支援が必要−と、子育てを経験した女性たちが始めた。ヘルパーは、こももが毎年開催する養成講座を受講。妊産婦を取り巻く社会の現状、産前産後の体や精神状態などを学び、体に優しい料理を実習した上で派遣される。家事のほか、赤ちゃんの沐浴(もくよく)や上の子の託児なども請け負う。
 開始当初は近くに親戚がいない転勤族の利用が中心だったが、近年は地元出身者も増え、友人間や、会社から従業員への出産祝いとしてプレゼントされるケースもあるという。
 週1回利用する佐々木さんは「産後の回復が遅く、想像以上に家事や育児が大変で、気持ちも不安定になった。そんな時に栄養のある食事を作ってもらえて助かっている。先輩ママに育児の相談を聞いてもらえるのがうれしい」と話す。
 小学4年生の長女がいる弘前市の大学教員渡部菜穂子さん(39)は、子どもが1歳以上の「プラスコース」を利用する。夫(44)が東京に単身赴任中で、自身も4月から職場が変わり、生活が慌ただしくなった。1〜2週間に1度、ヘルパーに留守宅に入ってもらい、おかずを作り置きしてもらっている。渡部さんは「お母さんなんだから、ちゃんとやらなきゃ…と思ったりもしたが、困っていたことが解消できたら体も気持ちも楽になった」と話す。
 ヘルパーの利用家庭は青森地区で月平均5〜10件、八戸地区は同3件、弘前地区は同1〜3件ほど。短期間に毎日利用する家庭や、週1回定期的に利用する家庭など頻度はさまざまだ。
一般的な家事代行サービスと違い、こももの場合、各家庭が最終的にヘルパーなしでやっていけるような方法を一緒に考える。サポートの頻度を徐々に減らすように提案し、困った時に頼れる窓口を紹介するなどして自立を支援する。
 一方、ヘルパーを務めるスタッフは現在、青森地区6人、八戸地区3人、弘前地区3人と少ない。橋本さんは「利用家庭は増えてきており、必要とされるサポートだと感じている。ヘルパーは常に募集中。他の団体でもできるところがあれば、ノウハウを伝えたい」と話している。
 利用料は、ベビカムコース(産後1年まで)が平日1時間1200円、プラスコースは同1500円。いずれも利用は2時間から。事前にプランニング(3千円)を受けることが必要。問い合わせはこもも(メールaomoricomomo@gmail.com)へ。