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【愛媛県】

高齢者見守る地域の絆、松山・和気地区の中学生が独居宅訪問

愛媛新聞 2017年11月1日(水)
1人暮らしの高齢者(右)を訪問し、元気な様子を確かめる中学生
1人暮らしの高齢者(右)を訪問し、元気な様子を確かめる中学生

【パトロール活動に恩返し】
 これからは私たちが見守る番―。松山市和気地区の中学生らによる独居高齢者の訪問活動が25日あり、生徒らが高齢者の元気な様子を確かめながら犯罪や交通事故の被害に遭わないよう呼び掛けた。かつて地区の子どもを見守るパトロール隊に所属していた高齢者もおり、中学生は幼い頃の恩返しの思いを込めて活動に取り組んだ。
 「長生きしてください」「詐欺に気を付けて」。中学生が訪問先で声を掛けるたびに、高齢者の笑顔が咲いた。以前、パトロール隊に所属していた村上茂さん(77)もその一人。「中学生はとても明るくて元気をもらえる。にこにこ話を聞いてくれるだけで本当にうれしい」
 訪問活動は和気公民館(同市太山寺町)が2015年から年2回行っている。25日は中学生約60人と民生委員らが約400軒を回り、非常用持ち出し袋や防犯チラシなどを手渡した。
 参加した松山市内宮中3年の女子生徒2人は「小学生の頃に見守ってくれていた人もいて感謝している。話も楽しい」とにこやかな表情を見せた。

 和気地区は子どもの見守り活動が盛んで、ボランティアのパトロール隊は結成から13年目を迎える。黄色いジャンパーと帽子がトレードマークだ。隊の発足に尽力した館長の芳之内淑子さん(66)は「大切なのは、当たり前に活動を継続すること」と語る。

 道のりは平たんではなかった。芳之内さんとともに活動を支えてきた松山西署和気駐在所の石丸信二所長(62)は「最初はボランティアの土壌がなく、人員確保が大変だった」と振り返る。粘り強く協力を呼び掛けるうちに賛同者が徐々に増え、パトロール活動が地域に根差し、その思いは世代を超えて中学生にも受け継がれている。

 芳之内さんは「少子高齢化が進んで近所付き合いが薄まっている今だからこそ、中学生が地域のお手伝いをできるプロジェクトに、より力を入れていきたい」としている。