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【京都府】

高校生20人に1人、家族を介護 学校も知らず、支援課題

京都新聞 2017年12月6日(水)

 
ケアの頻度
 
ケアの頻度

 家族の介護をする子どもや若者(ヤングケアラー)たちが抱える課題に光を当てようと、大阪府内の高校生約5千人を対象に行った実態調査の結果が、このほど京都市で開かれた研究会で報告された。5.2%に当たる272人のヤングケアラーが存在し、うち半数近くが小中学生の時から介護を担っていることなどが明らかになり、研究者らが適切な支援の必要性を再確認した。

 ■「ほぼ毎日」45%

 調査は、大阪歯科大の濱島淑恵准教授と関西学院大の宮川雅充准教授らのグループが2016年1〜12月、大阪府の公立高10校で実施、約5200人から回答を得た。

 ケア(介護)を要する家族がおり、自分がケアをしていると答えたのは272人。ケアする相手は祖母129人、祖父61人、母55人と続く。ケアの内容は家事が最も多く、次いで力仕事、外出時の介助・付き添い、感情面のサポートなどが挙がり、直接的な介護だけでなく幅広いケアを担っていることが分かる。

 ケアの頻度は「毎日」が33・5%、「週に4、5日」が11・8%と、毎日のようにしている生徒が半数近い。1日のケア時間は「1時間未満」が最も多かったものの、「2時間以上」が学校がある日で22・4%、学校がない日は38・6%おり、「4時間以上」も学校がある日で14・3%、学校がない日では22・8%に上るなど、負担が大きいと思われるケースも少なくなかった。

 ケアの期間は、具体的な年数を回答した198人のうち半数以上が3年を越え、6年5カ月以上と答えた生徒もいるなど、小中学生の頃からケアが始まっていたことがうかがえる。

 「ケアをしていることを家族以外の誰かに話したことがあるか」との問いに対しては、「ある」45・2%、「ない」48・2%でほぼ半々。話した相手は「友人」が群を抜いて多く、次いで「学校の先生」で、医療や介護、福祉の専門職とつながっているケースは少なかった。

 国内ではこれまで、新潟県南魚沼市など一部の地域で、小中学校の教員らを対象とした調査が実施されてきたが、子ども本人に質問する本格的な調査は今回が初めてという。濱島准教授は「教員対象の調査ではヤングケアラーの存在割合は1%台だった。今回の結果はそれよりも数値が高い。教員が見逃しているケースも多いのでは」とし、より大規模な調査で実態を正確に把握する必要があると訴えた。

 また、偏差値ランクの低い高校ほどヤングケアラーの存在割合が高い傾向がみられ、濱島准教授は「ケアの負担が大きく勉強に集中できないなど、学業面に影響が出ている可能性がある」と指摘した。

 ■学校が担う役割を検討

 今回の調査報告を受けて、9日午後1時半から、中京区の市中京青少年活動センターで「子ども・若者ケアラーをテーマにした事例検討会」が開かれる。京都府内の高校の養護教諭渡邉夏海さんが、具体的な事例や、ヤングケアラー支援に関して学校が担う役割や課題などについて話す。無料。参加申し込みは主催の市ユースサービス協会075(213)3681。