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【山梨県】

患者癒やすピアノの音

山梨日日新聞 2018年1月12日(金)
ボランティアでピアノの弾き語りを披露する木下夏衣さん=市立甲府病院
ボランティアでピアノの弾き語りを披露する木下夏衣さん=市立甲府病院

 甲府市後屋町のパート従業員木下夏衣さん(42)は、市立甲府病院で月に1、2回、ピアノの弾き語りのボランティアをしている。音楽を通じて患者の心を和ませようと、7年前から始めた。外来患者からは「病気の痛みや不安を一瞬忘れられた」と好評で、木下さんは「患者さんや家族の気持ちを少しでも癒やすことができたらうれしい」と話している。

 ピアノの弾き語りは、病院1階のエントランスホールで行っている。午後1時から約30分間、童謡をはじめ、その場にいる患者らの年齢層に合わせてアニメソングや昭和の歌謡曲など約10曲を披露している。
 木下さんはかつてジャズバンドを組んでいた経験があり、今は社会福祉施設でピアノの弾き語りを行っている。車いすの介助など病院ボランティアを募集する告知に、院内に置かれたピアノの写真が載っていたのを見て、「音楽を通じて病と闘う人の力になりたい」と自ら弾き語りのボランティアを病院に提案した。
 昨年12月26日は「富士山」「ふるさと」「川の流れのように」などの曲を披露した。演奏を聞いた南アルプス市小笠原の深沢大刀男さん(76)は「会計を待つ短い時間だったが気持ちが落ち着いた」と感想。北杜市小淵沢町の宮沢和子さん(63)は「病気で落ち込みがちの中、心地いい音楽を聞いて前向きになれた」と話した。
 5年前からは友人の中村園子さん(50)も活動に参加していて、中村さんは「時々曲をリクエストしてくれる人もいてやりがいを感じる」と話す。木下さんが月曜と火曜、中村さんが木曜と金曜を中心にそれぞれ月1、2回のペースで活動している。
 木下さんは「元気が出たと患者さんから声を掛けてもらうと張り合いになる。これからもほっとする時間を提供できるように続けていきたい」と話している。