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【青森県】

青森県内企業 精神障害者の雇用増える

東奥日報 2018年5月14日(月)
みちのく銀行の障害者チーム「パステル」は、それぞれの特性に合わせて簡単な事務作業を行う=4月、青森市
みちのく銀行の障害者チーム「パステル」は、それぞれの特性に合わせて簡単な事務作業を行う=4月、青森市

 発達障害や精神障害がある人を雇用する県内企業が増えている。青森労働局によると、障害者手帳を持っている精神障害者が県内外の事業所に就職したケースは2017年度、546件で5年間で2倍になった。障害者に対する周囲の理解が深まっているほか、今年4月から企業に義務付けられる障害者の雇用割合(法定雇用率)が引き上げられ、精神障害も算定対象になったことが追い風になっている。関係者は「福祉関係団体との連携を密にして雇用を継続することが大切」と語る。
 青森市の菓子・飲料販売「富士清ほりうち」は15年、職場体験をしてもらった障害者10人のうち、継続就労を希望したアスペルガー症候群の男性1人、うつ病の女性1人を採用した。
 男性は、予定外の仕事に臨機応変に対応するのが苦手なため、会社側は、男性に定型の事務作業をしてもらっている。また、音に対して敏感な男性がヘッドフォン型の「イアーマフ」を装着することを認めている。通院のため時間単位で有給休暇を取れる仕組みも整えた。男性は「仕事を長く続けられて良かった」と話している。
 精神状態に波があるうつ病の女性社員は、急に休んでも仕事に影響が出ないように他の社員とペアで作業をする。生活が安定した女性は、昨年結婚したという。
 細井永(ひさし)総務部長は「月1回、面談日を設け、2人の近況などを聞いている。対応に迷うことがあったら、障害者就業・生活支援センターなどに相談するようにしている」と、障害者雇用が順調に進んでいることを説明した。
 みちのく銀行では、障害がある約40人を雇用しており、そのうち20人が「Pastel(パステル)」というチームを組み、研修施設の清掃業務や資料作成、スタンプ押しなどの簡単な事務作業を行っている。メンバーのうち8人は、発達障害などの精神障害者だという。
 メンバーで広汎性発達障害の男性(28)は大学卒業後、就労支援事業所で訓練し14年に同行に就職した。男性は東奥日報紙に「作業の変化に対応できるように考えながらやっている。やりがいを感じている」と、真剣な表情で話した。
 文書に判を押すのが得意だというアスペルガー症候群の女性(22)は「以前、就労継続支援事業所で働いていたことを生かして仕事ができている。職場にも慣れ、仕事の面も生活の面も充実している。仕事を続けて親孝行したい」と、目標を語った。
 同行人事部の丸井一成次長は「メンバー1人1人が、得意なことを生かしながら作業することで、さまざまな作業に取り組むことができている」と話す。
 精神障害者の雇用が増えている背景について、青森労働局職業対策課の担当者は(1)精神障害者の就労意識が高まっている(2)社会や事業所側の障害者に対する理解が深まっている−ことなどを挙げた上で「今年4月から、企業の障害者の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられ、新たに精神障害者も対象となることを見越して、早い段階から採用している企業がある」と説明。「精神障害者の就業では、職場定着が課題となる。障害者就業・生活支援センターなど関係機関と連携することが重要となる」と語った。