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【神奈川県】

集合住宅で ご近助 支え合い 車いす介助や一時保育も

神奈川新聞 2018年8月6日(月)
手助けの窓口となる「ポプラ・ささえあい」の荻生さん(右)と新井さん=川崎市麻生区の新ゆりグリーンタウン・ポプラ街区
手助けの窓口となる「ポプラ・ささえあい」の荻生さん(右)と新井さん=川崎市麻生区の新ゆりグリーンタウン・ポプラ街区

 集合住宅で“ご近助”付き合い−。川崎市麻生区白山にある大規模マンション街「新ゆりグリーンタウン」のポプラ街区で、車いす介助や一時保育などを手伝う住民ボランティアが活躍している。ほかの街区の手本になり、同様の活動が広がりを見せている。ボランティアは高齢化が進んでおり、後継者の確保が課題だ。
 「ポプラ・ささえあい」は2013年11月に設立。代表の荻生和成さん(75)と事務局の新井フサ子さん(73)は以前、麻生区全域を活動範囲とする別の支え合い団体に所属していた。しかし、エリアが広範だったため「自分たちのマンション街区でフットワークよく活動したい」と同会を設立した。会員は現在、26人。民生委員も活動に協力している。
 新ゆりグリーンタウンは全6街区、約2400戸の大規模マンション群。ポプラ街区はその中心部に位置し、1983年2月に完成した。現在は570世帯、約千人が暮らしている。
 入居した当時、働き盛りだった世代は高齢化し、1人暮らしが増えた。一方で、近年は自立した子どもたちが家庭を築いて街区に戻ってくるケースも目立ってきた。
 「ちょっとした困りごとのお手伝いをいたします」。同会制作のチラシを街区の全戸に配布し、各棟の出入り口にも掲示。荻生さんと新井さんの電話番号も記してある。
 手助け希望の電話が入ると、事務局から全会員に希望者と内容、日時をメールで送信。対応可能な人が事務局に返信する仕組みだ。一つの手助けには2人1組で当たり、30分〜1時間程度で、基本料金は1件100円から。プライバシーの厳守を徹底している。
 内容は車いす介助や買い物代行、旅行中の植物への水やりなど多岐にわたる。最近は、保育園に通う子どもを迎えに行く時間に間に合わない親に代わって「緊急時おむかえサポート」も行っている。公共サービスが行き届かない隙間を埋めるような活動に注力している。2017年度の手伝い回数は123回。設立当初の14年度(44回)に比べ約3倍に増えた。
 難病がある1人暮らしの女性(62)は、粗大ごみの搬出や電球の交換などを依頼。「同じ街区の人がすぐに来てくれるので、安心感があって助かる」と喜ぶ。振り込め詐欺被害の防止対策や福祉関連の講座、歌声喫茶なども開催して、非常時を念頭に日頃から「顔の見える関係づくり」に努めている。
 同会の活動に触発され、別の街区でも同様の活動が始まったり、準備が進んだりしている。新井さんは「同じ街区の人よりも別の街区の人の方が適している手助けもある。連携を考えたい」と話す。荻生さんは「会員は70代が中心。若い会員の獲得が課題」とし、「依頼者が気軽に支援要請できるような工夫をしたい」と今後を見据える。