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【三重県】

介助不要の補助用品、三重県内で普及 高齢者の自立を促す

中日新聞 2018年9月5日(水)
「安全の里」の脱衣所に導入した補助テーブル。高齢者が一人でも立ち上がれるように設計した=亀山市住山町で
「安全の里」の脱衣所に導入した補助テーブル。高齢者が一人でも立ち上がれるように設計した=亀山市住山町で

 介助なしでも風呂やトイレを利用できるように設計した介護補助用品が、三重県内でも普及し始めている。介護施設では職員の負担軽減になる上、できる限り自身の力で動くことを補佐することで高齢者の尊厳を保つことにもつながる。バリアフリー化にも役立つことから、観光施設や運動施設などでの導入も期待される。

 5月に開所した亀山市住山町のグループホーム「安全の里」は、浴室の脱衣所とトイレに折りたたみ式の補助テーブルを設置した。高齢者が前かがみになったときに腕を乗せられる高さに設定し、座ったり立ち上がったりするときに体を預けられる。

 手すりのように握力が必要ないため、力の弱い高齢者でも利用しやすいという。利用者からも「高さもちょうどよく、立ち上がりやすい」と好評だ。

 真瀬直子管理者は「風呂やトイレで、お世話をされるのはいやだと思う人もいる。安全で楽にできる方法を探していた」と振り返る。利用者ができることはなるべく自分でしてもらう「自立支援」を施設全体で進めており、職員の負担を軽減する狙いもあった。

 補助テーブルは、パナソニックの介護事業を手掛ける子会社「パナソニックエイジフリー」が販売している。同社の担当者は「高齢化が進み、介護人材は不足してくる。自立支援はますます重要になってくる」と市場の拡大をにらむ。

 体の不自由な人の利用が見込めることから、介護施設の他にも、公共施設の多目的トイレなどでの導入も進んでいる。同社によると、全国的には、京都市の清水寺や広島市の広島平和記念資料館が同様のテーブルを設置している。

 同社の担当者は「伊勢神宮のような観光地がある三重県でも需要はある」と期待する。県内では2021年、全国障害者スポーツ大会「三重とこわか大会」が開かれることも見据え「選手らが利用するトイレに導入できればいい」とも話した。 (吉川翔大)