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【北海道】

注目集まる「DMAT」・・・災害医療を円滑に

室蘭民報 2018年9月14日(金)
DMAT胆振日高活動拠点本部の一員として、活動した内容などを振り返る市立室蘭総合病院のスタッフら=12日
DMAT胆振日高活動拠点本部の一員として、活動した内容などを振り返る市立室蘭総合病院のスタッフら=12日

 大規模な自然災害や事故が発生すると、48時間以内に被災地へ駆け付けるDMAT(災害派遣医療チーム)。胆振東部地震でも、道内はもとより、東北各県などからもDMAT隊が参集し、さまざまな活動を行った。「防ぎえる災害による死亡の低減」を主眼に置き、災害医療を円滑に進めるDMAT活動が改めてクローズアップされている。
 日本DMAT活動要領などによると、DMATは@被災地の病院機能を維持・拡充するため、その病院(主に災害拠点病院)の指揮下に入って医療行為を支援する「病院支援」A多数の重症患者発生時に、被災地の外に患者を運び出す「広域医療搬送」をはじめ、機動性や専門性を生かした医療的支援を行う。
 具体的には、災害拠点病院での本部活動、地域医療搬送などのほか、被災地の病院支援や医療提供体制に関わる情報収集、避難所や救護所でのサポートなど、その活動は多岐だ。
 胆振東部地震では、苫小牧市立病院に6日午前7時50分、DMAT東胆振活動拠点本部を設置。7日午前7時47分には、日胆管内全域のDMAT隊の活動を総括する胆振日高活動拠点本部に変更され、ここには、東北各県DMAT隊の応援なども含めて、計20チームが参集した。
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 今回の地震でのDMAT活動は、続々と運ばれる負傷者の選別(トリアージ)から治療・搬送など、被災現場での活動よりも、指揮と調整・安全管理・情報伝達・評価などを通じて、限りある医療資源を効率的・効果的に提供する「災害医療」の活動が優先された。
 地震発生直後の6日は、多数の負傷者受け入れや他地域への患者搬送も想定した役割分担をはじめ、災害拠点病院の病院本部体制を確立する活動が中心。
 また、7日には厚真町内の救護所での夜間診療も担ったほか、8日には、避難所対応などで医療スタッフが足りない、むかわ町鵡川厚生病院への診療支援なども行ったという。
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 一方、室蘭市内では6日、室蘭太平洋病院に入院する人工呼吸器装着患者計24人について、市立室蘭総合、製鉄記念室蘭、日鋼記念の3病院に転院。地域医療搬送活動の一つとして、この救急搬送についてもDMATが担った。
 長期化も懸念された停電を受けた対応で、製鉄記念室蘭病院や日鋼記念病院、伊達赤十字病院、市立函館病院のDMAT隊計4チームが担当。命に関わる災害弱者の搬送は6日午前11時40分から始まり、同日午後5時10分に終了。市立室蘭総合病院の17人をはじめ、製鉄記念室蘭病院に5人、日鋼記念病院に2人をそれぞれ運んだ。
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 日胆地域に派遣されたDMAT隊は活動を終え、すでに撤収。このうち、市立室蘭総合病院のDMATスタッフは12日、通常勤務の合間を縫って、今回の活動などを振り返った。
 同病院DMAT隊は、地震直後の6日午前6時23分の出動要請から、9日午後5時半の胆振日高活動拠点本部解散まで、計9人(医師1人、看護師5人、業務連絡員3人)が活動。胆振日高活動拠点本部に詰め、指揮命令系統の確立や連携調整に力を尽くした。
 災害現場などではリーダー的な役割も担う「統括DMAT」の認定を受け、DMAT胆振日高活動拠点本部長として指揮した下舘勇樹麻酔科部長・救急センター長は「今回の地震は(これまでの情報提供などから)想定外ではない」とし、「ミッション完遂などは、通常の訓練のたまもの」と話す。