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【大分県】

福祉理美容 安全面や衛生管理のガイド本

大分合同新聞 2018年10月5日(金)
「やすらぎ苑」を訪問し、入所している高齢者の髪をカラーリングする美容師(左)=大分市
「やすらぎ苑」を訪問し、入所している高齢者の髪をカラーリングする美容師(左)=大分市

 外出が難しい高齢者・障害者らの自宅や施設を訪れ、カットやパーマなどをする理美容師の質向上を目指し、日本福祉理美容安全協会(大分市、約180人)がガイドブックを出版した。サービスを受ける人の増加が見込まれる中、安全面や衛生管理など注意すべき点をまとめた内容。代表理事の田中晃一さん(59)は「志ある人たちに使ってもらい大分を福祉美容の先進県にしたい」と話している。

 2011年の東日本大震災でのボランティア活動をきっかけに協会は発足。県内など全国の理美容師らが会員になっている。
 体の不自由な人や高齢者、障害者らには体力や免疫力が低下していたり、じっと座り続けるのが難しい人がいる。理美容サービスを提供する際は配慮が求められる。
 ガイドブックは会員を対象に実施してきた介助法や感染症予防対策の研修、危険予知訓練などの内容を広く知ってもらうのが目的。独自の教材を再編集して5月に出版した。
 車いすから美容いすへの移動、施術中、寝たきりの人への対応といったケースごとに、どんな危険があるかや予想される事故を学べる。意識すべき点を自ら考え、身に付けてもらう構成になっている。
 「理美容の学校では教わらない技術だが、安全・安心・快適なサービスを提供するために必要なスキル」(同協会)という。
 市内でサロンを展開する田中さんによると、高齢化などを背景に、訪問サービスのニーズは20年ほど前から高まっている。月に1度、同市松岡の介護老人保健施設「やすらぎ苑」でカットと髪染めをしてもらう入所者の女性(91)は「おしゃれが生きがい。いつも楽しみに待っている」とほほ笑む。
 田中さんは「おしゃれを楽しんできた世代が高齢になり、いつまでもきれいでいたいという需要はさらに高まる。自分らしさを保てるお手伝いをしていけたら」。スキルを持った理美容師を増やしていきたい考えだ。
 ガイドブックはB5判、122ページ。2千円(税別)。インターネットから購入できる。問い合わせは同協会(TEL097・594・0093)。