ニュース
トップ

【福井県】

障スポ出場女性「諦めない姿見せる」

福井新聞 2018年10月9日(火)
「諦めない姿を見せたい」と練習に励む大脇さん=9月24日、福井県坂井市
「諦めない姿を見せたい」と練習に励む大脇さん=9月24日、福井県坂井市

 福井しあわせ元気大会(全国障害者スポーツ大会=障スポ)で10月6、7日に実施される車いすテニスに出場する大脇佳代さん(57)=福井市=は、身体障害者スポーツの世界大会に福井県内で初めて出場した先駆者だ。ひたむきに競技に打ち込み、「諦めない姿を見せたい」と障スポでの勝利を目指す。

 大脇さんは生後7カ月でポリオ(小児まひ)のため右脚が全く動かなくなった。左脚も動かないが力は入るため、松葉づえを使えば歩ける。福井養護学校(現福井特別支援学校)の小学部を卒業後、教員の勧めで中学部ではなく福井市光陽中に進学。高志高、福井県立短大(現福井県立大)と進み、障害のない子どもと共に学んだ。体育の授業は全て見学だった。

 就職し共生社会の実現を目指す市民団体で活動していた20歳の頃、同じ団体の男性に車いすバスケットボールに誘われ、男子選手に交じって練習に参加。初めてのスポーツに「体を動かして汗を流すのがこんなに気持ちよかったのか」とのめり込んだ。

 日本代表入りを目指して平日は福井の男子チーム、週末は愛知県の女子チームで練習に没頭。1984年の国際身体障害者スポーツ大会に向けた日本代表の選考合宿に参加した。代表入りはならなかったが、陸上の車いすスラロームで代表入りし、県内男女を通じて初めてイギリスで開かれた世界大会に出場した。

 86年には大分国際車いすマラソンに挑戦。福井運動公園(福井市)の外周やテクノポート福井(同市、坂井市)を1人で走り続けた努力が実り、42・195キロを2時間58分で完走した。

 車いすテニスは、結婚、出産を経て、子育てが一段落した45歳ごろから本格的に始めた。練習用のコートを確保したり、県車椅子テニス協会が毎年開催する「福井オープン」の協賛金を集めたりして運営を支えながら、自身も全国規模の大会で一つでも多く勝とうと各地を転戦する。

 スポーツを始めたのが遅かったこともあり、なかなか上達しないというが、「亀の歩みように少しずつだがうまくなっている。見に来てくれる人に諦めない姿を示したい」と話す。

 出場する福井県選手7人のうち10代は1人だけで、競技の裾野は広がっていない。「今回の国体を福井の障害者スポーツの新たなスタートにしたい。パラリンピックで活躍するトップ選手を育てたい」。強い思いを込め、試合に挑む。