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【埼玉県】

小児がん知って 川越で元患者少年発案の絵本原画展

埼玉新聞 2018年10月19日(金)
「小児がんを知ってほしい」と企画された絵本「しろさんのレモネードやさん」の原画展=川越市宮下町のギャラリー「USHIN」
「小児がんを知ってほしい」と企画された絵本「しろさんのレモネードやさん」の原画展=川越市宮下町のギャラリー「USHIN」

 埼玉県日高市の病院に入院していた元小児がん患者の栄島四郎君(11)=通称しろさん、横浜市=が病気について知ってもらおうと発案し、支援者の協力で6月に出版された絵本「しろさんのレモネードやさん」の原画展が、川越市宮下町のギャラリー「USHIN(ウシン)」で開かれている。21日まで。

 絵本は、脳腫瘍だった四郎君が闘病後、手作りレモネードの販売を通じて小児がんを治療・研究するための募金を集め続けている事実に基づいて創作された。

 四郎君が通っている作文教室主宰の小説家松崎雅美さんが文を書き、知人のイラストレーター矢原由布子さんが絵を描いた。「四郎君が自分のためではなく、大勢の闘病仲間のために行動を起こすその姿に心動かされた」と松崎さん。闘病仲間やその家族、病院の医師などの協力で出版されたという。

 原画展は、矢原さんと交流のあるウシン店主の細野敦子さん(56)が「一人でも多くの人に小児がんという病気があり、治療を頑張っている子どもがいることを知ってほしい」と企画した。

 会場には、四郎君がモデルの主人公「しろさん」がレモネード遊園地への招待状を持ち暗いトンネルを抜けようとする場面をはじめ、病院のベッドで闘病仲間とトランプで遊ぶ姿、花火も楽しめる夜の遊園地、レモネードを作って小児がんチャリティーを呼び掛ける様子など12点の原画が展示されている。

 どの作品もカラフルで優しい色彩で子どもたちの表情が生き生きと描かれている。

 一方、脳腫瘍手術の後遺症で目が不自由になり、白杖(はくじょう)をついた少女も登場。車いすのまま乗れる遊具や、宇宙船のような「クリーンふうせん」は、抵抗力が弱った小児がん患者が「どこでも自由に楽しく遊びたい」との願いが描かれている。

 四郎君の母、佳子さんは「小児がん患者は退院してもさまざまな苦労がある。絵本には当事者の深い思いが込められている。『これは何だろう』と考えながら見てほしい」と話している。

 ギャラリーではレモネード(300円)も販売。100円は四郎君が会長を務める「みんなのレモネードの会」に寄付される。

 午前11時〜午後5時。月曜定休。問い合わせは、ウシン(電話049・227・3506)へ。

■小児がん

 医療の発達した日本で、子どもの命を最も多く奪う病気の一つ。白血病や脳腫瘍などがあり毎年2千〜2500人が診断される。病気が進行しないと症状が現れず早期発見が難しい。病気や治療のため心や体が障害を受け、時には重い障害と向き合いながら生きていかなければならない子どももいる。