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【愛媛県】

患者の就労支援探る 企業関係者らが松山でセミナー

愛媛新聞 2018年11月7日(水)
グループワークに取り組む参加者=松山市南梅本町
グループワークに取り組む参加者=松山市南梅本町

 がんの治療をしながら働く人が増えている。治療と仕事の両立に向け、患者や経験者の就労支援を考えるセミナーがこのほど、松山市南梅本町の四国がんセンターであった。県内の医療、企業関係者ら約40人が相談事例などから支援のポイントを学んだ。
 同センターによると、県内のがん患者のうち、20〜64歳の就労世代は約30%。治療への職場の理解が得られず、仕事を辞めてしまうケースも少なくなく、就労支援は重要な課題となっている。
 セミナーは、働くがん患者の支援団体「CSRプロジェクト」(東京)の特定社会保険労務士らが講師を務め、同プロジェクトの藤田久子理事は国のがん対策を説明。今年4月の診療報酬改定で、患者の主治医が勤務先の産業医の助言を得て治療計画を見直すなどすれば、病院側に報酬が支払われるようになったとし「企業と病院の連携を後押しするこのスタートは大きな意味がある」と語った。
 NPO法人「がんと暮らしを考える会」(同)の近藤明美副理事長は、同NPOの社労士とファイナンシャルプランナーが患者支援事業として全国8カ所の医療機関などで実施している個別相談について紹介。相談者は40代と60代が特に多い傾向にあり、年代によって相談内容は異なるものの、患者のほとんどが経済的な悩みを抱えていると述べた。
 患者が利用できる支援制度には医療に関連した公的な制度に加え、がん保険や生命保険といった民間のものもあるが、知らない人は利用できず、申請までたどり着かない人もいるという。
 近藤さんは「治療の経過とともに復職への不安や通院休暇の取り方、退職の検討などさまざまな就労上の困り事が生じる。働く意味によっても解決策は変わってくるので、本人がどういう働き方をしたいかをくみ取ることが大切」と強調した。
 国が2016年に策定した企業向けの両立支援ガイドライン(指針)に基づき、がんになった従業員の就労上望ましい配慮などを主治医に尋ねるために事業所が作成する「勤務情報提供書」を実際に記入するグループワークもあり、参加者は真剣に取り組んだ。
 藤田さんは「医師がイメージしやすいよう、作業内容や就労上の不安などを具体的に書いてほしい」などとアドバイスした。