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【栃木県】

「見えない障害」支え10年 とちぎ高次脳機能障害友の会

下野新聞 2017年11月28日(火)

高次脳機能障害の相談を呼び掛ける県作製のポスター

根強い誤解、「早期相談を」
 事故や病気の後遺症で記憶力などに障害が出る「高次脳機能障害」の当事者・家族の団体「とちぎ高次脳機能障害友の会」が発足して本年度で10年。活動は広がりを見せているが、障害に気付かず潜在化している当事者の掘り起こしは進んでいない。「見えない障害」とも言われる同障害。当事者や家族は孤立しがちで、中野和子(なかのかずこ)会長(68)=下野市下古山=は「家族だけで抱えられるほど簡単な障害ではない」と周囲の理解と当事者の早期相談を呼び掛けている。
 「思ったことを話せない」「テストの出題範囲と違う所を勉強する」。中野会長の次男靖丈(やすたけ)さん(34)は中学2年の時、日常生活で異変が目立つようになった。学校では嘲笑や叱責(しっせき)の的となり、内にこもりがちに。
 巡った病院では「性格の問題」「努力が足りない」と言われ続けた。同障害と診断されたのは20歳の時。6歳で遭った交通事故が原因だった。
 同障害は、交通事故や脳卒中などで脳が損傷し、思考や記憶、注意などの脳機能に支障を来す。身体的な症状ではないため、周囲の誤解も受けやすい。医療、福祉関係者の認知度も高いとはいえず、発達障害と誤解される当事者もいるとされる。
 同会は2007年度に発足。当初の会員は10人程度だったが、現在は約50人に増えた。毎月第2土曜日に定例会を開き、リハビリや情報交換を行っている。近年は美術作品の制作やレクリエーションなど活動内容も増え、協力してくれるボランティアの顔ぶれも多彩になってきたという。
 一方、県も10年度、とちぎリハビリテーションセンター(宇都宮市駒生町)に支援拠点を開設。啓発や研修などを行うほか、16年度は同障害関連の相談計935件を受け付けた。相談は拠点開設当初、年間100〜200件ほどだったといい、担当者は「理解が浸透し始めた結果」と話す。
 ただ、国の調査を基にすると県内の当事者は約4500人と推計される。診断できる医療機関の少なさ、若い当事者の就労支援などが課題という。中野会長は「医療機関や行政、地域などの連携をさらに深めていく必要がある」と訴えている。

■当事者の夫が介護体験語る/来月2日、記念講演会
 「とちぎ高次脳機能障害友の会」設立10周年記念講演会が12月2日午後1時から、宇都宮市駒生1丁目の県教育会館で開かれる。
 第1部はフジテレビ解説委員の松本方哉(まつもとまさや)さんが講演。同障害がある妻の介護体験などを基に、仕事や制度への思いを語る。第2部はパネルディスカッションで、言語聴覚士や就労支援者らが意見を交わす。無料。
 (問)同会の中野会長0285・38・6485。

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