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【栃木県】

訪問型の有料福祉提供 栃木・上三川の「にじみる」

下野新聞 2017年12月28日(木)

高齢者を訪問支援する社会福祉士事務所「にじみる」の職員

公的支援のはざまにニーズ 孤立する人に24時間対応
 上三川町の社会福祉士事務所「にじみる」が展開する有料の訪問型支援「北風と太陽」が福祉関係者の注目を集めている。身寄りがなかったり親族と疎遠だったりする高齢者や障害者らの困り事に24時間対応する、県内では珍しい事業。入院に必要な緊急連絡先を引き受けるなど、公的支援のはざまに陥りがちなニーズに応えるのも特徴だ。取り組みが評価され、全国の社会福祉施設・団体に助成する丸紅基金(東京都)の本年度の助成対象に県内で唯一選ばれた。
 一昨年の大みそか。にじみるの電話が鳴った。「隣人の姿が見えない」。県南で独居する90代女性の異変を伝える、近隣住民からの連絡だった。職員の高田美保(たかだみほ)さん(44)が確認に急ぐと、女性は転倒して動けず具合も悪い状態。車で病院に搬送した結果、大事には至らなかった。
 女性は認知症で、にじみるが緊急連絡先を引き受け、近所にも周知していた。「年末年始は訪問介護も休み。発見が遅くなる可能性もあった」。高田さんはこう振り返る。
 北風と太陽は2014年6月の事務所設立と同時に始まった。地域包括支援センターや行政からの相談などもあって利用者は年々増え、これまでに計54人(故人含む)と契約。主な利用者は難病の人や重度障害者、認知症の高齢者などだ。
 「公的支援があるのに利用できていない場合は無料で紹介するのが基本」(上野剛志(うえのたかし)代表理事)とした上で、入院・施設入所の申請や成年後見制度申し立て援助から緊急時の訪問、必需品の買い出しまで幅広く対応している。24時間対応の利用は月1万6200円から。
 利用増に伴って職員の移動手段の確保が課題となっているため、同基金の助成金で訪問車両を購入するという。同基金事務局は「地域の高齢者や障害者を支える活動は、少子高齢化や過疎化問題を抱える地方にとって非常に重要」と評価している。

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