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【山梨県】

認知症介護、支え合い30年 山梨県内団体「オリーブの会」

山梨日日新聞 2018年6月20日(水)

機関紙や記念誌を読みながら30年を振り返る平井出設子さん(左)と財前美知子さん=甲府市内

 認知症の人と家族でつくる「オリーブの会」が設立から30年を迎えた。介護の悩みを共有し、支え合おうと、交流会の開催や機関紙の発行、電話相談を柱に活動。近年は調理や食事を楽しむ「カフェ」も開いている。支えられた介護の当事者が家族をみとった後、経験者として支える側に回って会は続いてきた。会長の財前美知子さん(68)は「30年の歳月に重みを感じる。時代に合わせて活動を工夫しながら、次の世代にも引き継ぎたい」と話している。
 「介護で寝不足の日々を送っていたが、夜中でも駆けつけるよ、と言ってくれる仲間がいて心強かった」。2010年から会に参加する甲府市の女性(68)は、若年性認知症の夫の介護を振り返りながらこう話した。夫は2月に亡くなったが、女性は現在も役員として会の運営に携わる。「交流会や機関紙を通じて自分の経験談を伝えることで他の悩んでいる人たちのためになれば」と願っている。
 オリーブの会は1987年に発足。当時は認知症という言葉がなかった。当事者や家族は偏見を恐れて悩みを打ち明けられず孤立しがちだった。介護者や経験者が集まることで心の負担を軽減し、介護について学ぼうと結成した。
 初代会長を務めた平井出設子さん(84)は「みんな涙していたし、介護の苦しみから死んでしまいたいと訴える人もいた」と振り返る。支え合いの場は徐々に広まり、10人程度だった会員は94年ごろには100人を超えた。
 長年にわたり会を支えてきたのは、認知症の家族をみとった後も運営に関わる介護経験者だ。平井出さんは「自分の言動が苦しんでいる誰かを助けるかもしれない。そんな思いが受け継がれて30年続いている」と語る。
 時代とともに認知症を取り巻く環境は変化。2000年の介護保険スタート後は相談窓口が増えた。だが、介護者の悩みは尽きない。「介護の選択肢や情報量は増えたが、多くの情報に振り回されてしまう新しい悩みも出てきた」(財前さん)。
 16年からは2カ月に1回、認知症の当事者も一緒になって昼食を作り、食事をするオリーブカフェを開催。毎回20〜30人が参加する人気企画だ。財前さんは「同じ悩みを持つ、過去に持った仲間。支え合いの気持ちをつなげていきたい」と話している。

 オリーブの会は21日、設立30年を記念した講演会「認知症と向き合う」を甲府・中北保健福祉事務所で開く。認知症グループホーム管理者が講師を務める。要予約。申し込み、問い合わせは財前さん、電話055(279)2540。

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