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【青森県】

高齢者宅のごみ出し 福祉施設が代行/八戸

東奥日報 2018年6月11日(月)

高齢者から預かったごみを集積所に出す柿の木苑のスタッフ。事業所のごみとは別に取り扱っている

 青森県八戸市内の障がい福祉施設が今年から、自力でのごみ出しが困難な高齢者に代わってごみを集積所に運ぶ支援事業を試行している。高齢者が住み慣れた地域で生活を続けるための課題を住民主体で考えてもらおうと、市が地区ごとに開いているワークショップ(WS)で、住民らの話し合いを通じてニーズが浮かび上がり、支援が実現した。市は本年度さらに多くの地区でWSを開催し、地域で助け合う「互助」の輪を広げたい考えだ。
 支援事業を試行しているのは、同市の社会福祉法人ぶさん会が運営する施設「柿の木苑」。吉岡恵真施設長やスタッフらが今年2月から週1回、収集日の前日に、 市内に一人で暮らすある80代女性宅を訪れ、ごみをいったん預かり、翌朝、近くの集積所に運んでいる。安否確認を兼ねたあいさつも欠かさず行い、冬場は女性宅の除雪もした。
 市によると、女性はごみ出しを手伝ってもらっていた近所の住民が転居し、頼める人が見つからずにいたところだった。吉岡さんは「地域で困っている人がいるならカバーしたい。社会貢献は社会福祉法人の役目」と話す。
 現在はスタッフらが無償で対応しているが、預かる時間帯などの条件によっては、福祉サービスを利用して働く障がいのある人たちの仕事として実施できる可能性もあるという。
 支援事業を知った住民からは「無償では気を使ってしまいかえって頼みにくい」との声もあり、同施設はより利用しやすい形を探っている。
 支援事業は、昨年度ある地区で開いたWSをきっかけに市がニーズを把握し、市内で支援を希望する高齢者と、支援できる福祉施設を橋渡しして実現した。住み慣れた地域で暮らしたいという高齢者の願いに応えるためには、さらなるニーズの把握、支援の担い手確保が課題となる。
 市は今後もWSで地区ごとの議論を喚起し、住民主体の支援事業や取り組みの実現につなげたい考え。担当者は「互助が生まれる場をつくりたい。取り組みを通じて、自宅で長く暮らしたいという人の選択肢を増やしたい」と語る。
 市は家事や配食などの支援を、公的なサービスだけでなく、民間団体の事業や住民同士の助け合いなどでも担っていける環境をつくろうと、介護保険制度上の「生活支援体制整備事業」の一環としてWSを開催している。

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