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【埼玉県】

点字の名刺を作成、視覚障害者が刻印 就労の能力向上へ

埼玉新聞 2016年9月21日(水)

名刺に1枚1枚に点字を刻印する佐伯篤史さん(左)。右は施設長の大政さん

 「点字名刺プロジェクト」に取り組む越谷市の「ココロスキップ」(大政マミ施設長)は1日、障害者総合支援法に基づく就労継続支援B型事業所として同市大沢に開所した。通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識や能力向上のために必要な訓練を行う。

 「点字名刺プロジェクト」は視覚障害者の社会参加と点字の普及を目指す福祉事業。ココロスキップが依頼者から名刺を預かり、それを視覚に障害のある人が1枚1枚手作業で点字を刻印。完成した点字名刺を再び依頼者に返却するサービスだ。

 点字する内容は名前、会社(団体)名、電話番号などが基本。料金は100枚で1080円(税込み)。その半額が、作業をした障害者に支払われる。

 ココロスキップを利用する視覚障害者者は現在5人。3年前に心臓病が原因で失明した佐伯篤史さん(33)=越谷市=は「家にいるばかりでは退屈なので仕事を始めた。まだ点字が読めないが、これから勉強したい」と話し、慣れた手つきで点字名刺を作成していた。

 埼玉県視覚障害者協議会越谷支部長の及川淳子さん(58)は点字の仕上がりに間違いがないかを確認する作業を担当する。及川さんは「マッサージだと資格を取らなければできないが、この仕事は誰でも参加できる。とてもありがたい」。

 視覚に障害のある人の仕事は限られている。古くから「ハリ・きゅう・マッサージ」が定着しているが、最近では視覚に障害のない人の参入が相次ぎ、視覚障害者の就労の場が減っているという。

 施設長の大政さん(35)は「ハリ・きゅう・マッサージと共に、視覚障害者の新たな仕事として点字名刺を根づかせたい。点字が当たり前のように社会に出回ることで、視覚障害者の理解につなげたい」と話している。

 点字名刺の問い合わせは、ココロスキップ(048・978・9198)へ。

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