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【岩手県】

産前産後の安心支え10年 岩手、産科医不在・遠野市の助産院

岩手日報 2017年11月20日(月)

産後ケアの相談を受ける助産院「ねっと・ゆりかご」のスタッフ(左)

 遠野市助産院「ねっと・ゆりかご」は、来月1日に開設10周年を迎える。市内の産科医不在がきっかけで公設公営の助産院を設置し、インターネット回線を活用した遠隔健診や助産師らによる産前産後のサポートで、妊婦の負担軽減に力を注いできた。目標に掲げた産科医の確保は実現していないが「安産の里」を目指す遠野独自の取り組みは続いていく。
 健康福祉の里(同市松崎町)の一室にあるねっと・ゆりかご。助産師2人が常駐しており、超音波検査の画像を医療機関に伝送する装置もある。妊婦健診の一部はここでも受けられるため、市外に通院する妊婦の負担やリスクの軽減につながっている。
 先月に第2子を出産した同市松崎町の主婦及川奏江(かなえ)さん(32)は「盛岡市の病院に通うのが大変だったが、助産院のおかげで移動の負担が減った。助産師のアドバイスも心強かった」と頼りにする。
 遠野市は2002年に県立遠野病院産婦人科の常勤医師が不在となり、市内で出産できなくなった。市は医師確保に奔走したものの、医師不足や地域偏在の影響で遠野に来る産科医はおらず、安心安全にお産ができる環境を整えるため「遠野型助産院ネットワーク構想」を策定。その中核施設として健診や相談業務に重点を置いた助産院を07年12月1日に開設した。
 この10年で情報通信技術(ICT)が格段に進歩し、遠隔健診では、より鮮明な胎児の超音波画像を送れるようになった。市によると、市内の妊婦の6〜7割が健診などで助産院を利用している。
 市健康福祉部の菊池永菜部長は「妊婦の安心安全のため培ってきたノウハウを今後も生かすことができる。そのためには助産師や救急隊員の技術向上が不可欠。妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援を続けていく」と決意を示す。

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