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「高齢者施設における建物整備と法人経営」は、厚生労働省の平成20年度老人保健事業推進費等補助金を受けて、社団法人日本医療福祉建築協会(以下「JIHa」といいます。)が行なった「良質で安価な高齢者施設の整備手法に関する調査研究」の成果を取りまとめたものです。
JIHaは、昭和29年、第二次世界大戦後早急に求められたわが国の医療機関の復興整備と近代化に向けた設計手法の開発や情報交換などを目的に「日本病院建築協会」として発足し、昭和41年に旧厚生省所管の社団法人として認可されました。
対象施設は当初から病院・診療所に限らず福祉関係の施設にまで及んでいましたが、高齢化に伴う医療福祉の総合的な観点からの整備や介護保険に向けた検討が進むにつれ、協会活動における福祉面の役割が大きくなってきたことから、平成7年、現在の名称に改めました。この年、本協会の活動が医療福祉施設の質的向上に大きく貢献したことが評価され「保健文化賞」を受賞しています。
高齢者施設は近年、住宅的な居住性が高まる一方、建設費用の大部分を補助金でまかなう形ではなくなりました。このため、施設の建設にあたっては、居住性と事業性の双方に目配せしながら、そのベストバランスを探ることが重要です。本研究は、こういった状況を背景に、介護事業者と設計者が互いの立場を理解した上で、バランスのとれた建築整備が達成できることを目的として実施されました。
高齢者施設の建設費用の実態調査、施設建設の基礎知識から良質な施設建設のためのコストコントロールの手法及び事例紹介、さらには建物整備と法人運営の関係などの幅広い情報がまとめられています。これから高齢者施設を整備しようとする事業者や設計者の方々が計画を立てる際の良書であると考え、WAMNETに掲載させていただきました。
末筆ではありますが、掲載に当たりご尽力いただきましたJIHaの方々に厚く御礼申し上げます。
平成21年8月
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