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◆◆ 平成23年度 ◆◆

貸付先施設の経営状況レポート2011(平成22年度決算分報告)

第9回 ケアハウスの経営状況「従事者の状況」

 経営支援室 経営企画課

 第9回目は利用者へのサービスの質に影響すると考えられる「従事者の状況」についてです。なお、当機構の経営分析参考指標では、ケアハウスを「一般型」及び「特定施設」に分類し、それぞれ次のように定義しています。

   一 般 型 :ケアハウスであって、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない施設
   特定施設 :ケアハウスであって、特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設

 記載内容の参考資料として参考資料(こちらをクリック)をご覧下さい。


@ 一般型
    「入所者10人当たり従事者数」は1.67人(前年度1.64人)となり、前年度から0.03人僅
   かに増加となりました。
    一般型は、基本的には元気な高齢者が対象であるため、人員配置基準も介護保険
   適用施設である特定施設と比較し、低くてすみます。職員の位置づけは、主に入所者の
   相談業務、健康管理等の最低限の安心を保証する「見守り」が中心となり、特定施設と
   は一線を画することに注意が必要です。
A 特定施設
    「入所者10人当たり従事者数」は4.63人(同4.29人)となり、前年度から0.34人増加と
   なりました。職種別の内訳に着目すると、介護職員の増加が最も大きくなっています。
   「入所者10人当たり従事者数」の介護職員は、2.96人(同2.66人)となり、前年度から
   0.30人増加しています。
    特定施設は、施設内に3対1の介護職員を配置し、特養等と同じような施設サービスを
   提供します。これは、要介護度の高い方が一定割合入所していることが前提となり、特
   定施設の契約者が一定数以上いなければ、採算が合わなくなる可能性があります。
 
 一般型に入所している元気な高齢者の方でも、いずれ介護が必要になる時期が訪れるケースは多いと思われます。そのような身体状況の変化の中で、生活の場を切れ目なく確保するという観点では、特定施設の存在は大きなものであり、施設の位置づけ次第では需要が増すものと期待されます。しかし、介護報酬に関連する施設側の採算と、入所者の要介護状態等の兼ね合いから、新たに特定施設の指定を受ける法人は少ないのが現状のようです。そのため、特定施設を単独設置とするよりも特養等の併設とした方が、従事者の補填も可能であるし、設備面でも重度の要介護者への対応がしやすくなるメリットが考えられます。

 次回は、ケアハウスの「収支の状況」について報告します。

 なお、本コラムで報告しました各数値および経営指標につきましては、当機構より毎年度発行しております冊子「軽費老人ホーム(ケアハウス)の経営分析参考指標2011‐平成22年度決算分」に掲載しています。本コラムの内容についてのお問い合わせや冊子のご購入につきましてはこちら(クリックしてください)でご案内しております。

【参考資料】
shiryou_keahausu.pdf(325KB)