薬剤アレルギーや耐性菌を持つ患者にも対応した除菌治療を提供する加藤智恵子医師
岩手県盛岡市本宮の市立病院(加藤章信院長)は、胃がんの原因となるピロリ菌の除菌治療に力を入れている。ピロリ菌に詳しい消化器内科医が新たに着任し、除菌で使う薬剤に耐性やアレルギーのある患者にも対応した治療が可能になった。本県でもがんの部位別の死因で上位にある胃がん撲滅に向け、治療メニューを充実する。
通常、ピロリ菌は2度の除菌治療(1、2次除菌)でほとんど除去できるが、数%の割合で薬剤耐性のある菌に感染している人や治療に使う抗生剤にアレルギー症状が出る人がいる。
そのような中、ピロリ菌を長年研究し、約2千人の治療実績を持つ加藤智恵子医師(61)が2019年4月に消化器内科に着任。2度の治療で除菌できなかった人への除菌治療(3次除菌)やアレルギー患者にも対応できるようになった。
加藤医師の除菌治療では、患者の胃の粘膜組織で培養したピロリ菌を使って薬剤の感受性テストを実施。患者が過去に使用したり、アレルギー反応を起こした薬剤の履歴を参考にしながら効果のある薬を見つける。紹介状は不要。
薬剤の量、服薬回数、期間は加藤医師のこれまでの治療経験などから患者に最適な組み合わせを決める。
除菌治療は内視鏡検査で感染が疑われる人に実施するのが一般的で、同病院の内視鏡による胃がん検診者数は、導入した16年度154人から19年度455人と約3倍まで増加。県によると、県内の胃がんによる死者数は18年488人で、部位別では3番目に多い。
本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で同市の胃がん検診などが中止したが、今後も治療ニーズは広がるとみられる。
加藤医師は「除菌治療で発がんリスクは3分の1まで抑えられる。これまで治療を諦めていた人も、まずは積極的に相談してほしい」と呼び掛ける。
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