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【島根県】

外国人患者対応、通訳なしOK 国補助金でタブレットを県が整備

山陰中央新報 2019年9月25日(水)
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音声通訳機能付きのタブレット端末で、患者と意思疎通を図る看護師=出雲市塩冶町、島根大医学部付属病院 

 外国人住民が増える中、島根県が県内医療機関に音声通訳機能付きのタブレット端末を整備するための補助事業を始める。整備済みの病院では、救急外来の対応などで役立っており、より多くの医療機関で導入することで外国人が安心して受診できる態勢を整える。

 県内の外国人住民は、2018年12月末時点で8875人。10年前に比べて約3千人増えた。電子部品製造大手の出雲村田製作所(出雲市斐川町上直江)の雇用拡大などでブラジルが最多の3627人で、中国1334人、ベトナム1146人と続く。

 県内医療機関では外国人患者の受診が増え、特に出雲市ではポルトガル語が母語のブラジル人との意思疎通が難しい場合が多く、対応が課題となっている。

 タブレットの整備は、国の補助金を活用。県負担はなく、国と医療機関が2分の1ずつ負担。導入台数は救急や入院などの態勢が整っている病院に1台、県内7圏域に1台ずつの計8台を見込む。国の交付要綱が明らかになっておらず、導入時期は未定で、台数の変動もあり得る。

 県は開会中の9月定例県議会に提出した19年度一般会計補正予算案に1210万円を計上した。

 島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)は、既に救命救急センターに1台を整備。救急外来の場合、患者に通訳が同行できないことが多く、導入前はポルトガル語で質問用紙などを作って対応していた。導入後は月1〜2回程度の利用があるという。

 板倉千栄看護師長は「通訳がいなくても患者の訴えを聞くことができる。導入が進めば診察や入院の幅広い場面で役立つのではないか」と述べ、渡部広明救命救急センター長・高度外傷センター長は「意思疎通が円滑にできることで、患者と医療従事者双方のストレス軽減にもつながる」と話した。