ニュース
医療

【高知県】

宿毛市で糖尿病重症化の予防実証へ 患者情報共有で早期に指導

高知新聞 2019年10月31日(木)
ニュース画像
10月上旬に開かれた「地域次世代医療基盤研究協議会」の設立総会(宿毛市高砂の市総合社会福祉センター)

 高知県宿毛市と幡多郡大月町、三原村の医療機関が患者の医療情報を共有するシステム「はたまるねっと」を活用し、糖尿病の重症化を予防する実証試験が11月にも宿毛市で始まる。システム利用者を無作為抽出し、血圧や運動量を支給される端末で登録。医師らはデータをもとに受診を勧めたり運動指導したりして早期介入することで、発症や重症化の予防を目指す。 

 3市町村では2018年から、幡多医師会(会長=奥谷陽一・奥谷整形外科院長)が中心になり、「はたまるねっと」を運用。病院や薬局、介護施設など計43事業所で共通のICカードを導入し、同意を得た患者約5500人の治療歴などを共有している。

 実証試験は、糖尿病と診断されたことのある人と、空腹時血糖値などから“予備軍”とされる人の2グループ各10人を抽出。各グループの半数にはスマートフォンを貸し出し、毎日の血圧や食事内容、歩行量などを提供してもらう。

 個人のデータは、「はたまるねっと」上のデータ同様、医療機関で共有。それらをもとにかかりつけ医が、データ提供者に対して専門医の受診推奨や適切な運動指導を行う。抽出された全員が3〜6カ月間ほど毎月検査を続け、早期介入の有無による症状改善の違いを調べる。

 実施主体として10月上旬、幡多医師会と宿毛市、大井田病院(宿毛市中央8丁目)のほか、東京大学や慶応大学の関係者らで「地域次世代医療基盤研究協議会」を設立。現在対象者を選定中で、11月にも端末を配り、実証に取り掛かるという。

 宿毛市の中平富宏市長は「高齢者の手前、病気の手前の人に健康について考えてもらうきっかけになる」と期待していた。(新妻亮太)