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【岐阜県】

失語症患者、憩いの場 揖斐川町にカフェ

岐阜新聞 2019年11月18日(月)
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失語症の患者らが集まり、交流を深める「失語症カフェ」=揖斐郡揖斐川町三輪、デイサービスセンター清流の里

◆言語聴覚士や介護福祉士サポート 互いの悩みも話し合う
 脳の損傷によって話すことや聞くことといった言葉を使う活動に支障が出る失語症の患者が集まり交流する「失語症カフェ」が揖斐郡揖斐川町三輪のJAいび川デイサービスセンター清流の里で開かれている。同施設によると、県内で失語症カフェを開いている施設はなく、全国的にも珍しい取り組みという。参加者たちはゲームや懇談などを通じて交流を深めており「リラックスできる場。県内でこのような活動が広まってくれれば」と願っている。

 失語症は、脳梗塞などで脳の言語中枢が傷ついたことによって起こる高次脳機能障害の一つ。言葉を聞いて理解することは比較的できるが話すことに困難が生じる「ブローカ失語」、話すことはできても聞いて理解することが困難な「ウェルニッケ失語」などのタイプがあり、症状は人によってさまざま。見た目には障害があると分かりにくいため、高齢者の場合には認知症と間違えられることもある。

 デイサービスセンター清流の里と揖斐厚生病院(揖斐川町)は、社会から孤立しがちな失語症患者が社会に参加するきっかけにしてもらおうと、2017年から年4回、失語症カフェを開催している。同施設や同病院の言語聴覚士や介護福祉士、看護師がサポートに回る。参加者は20〜80代と幅広く、2時間ほどでゲームをしたり互いの悩みを話し合ったりする。

 16日に開かれたカフェでは、参加者たちが自己紹介や魚釣りゲームなどを通して楽しい時間を過ごした。同施設の高橋佳代係長(38)は「他者とのコミュニケーションを図る重要な場となっている。気軽に利用して元気になってほしい」と話す。

 40歳ごろに脳梗塞が原因で失語症を患った教員の馬渕敬さん(45)=揖斐郡大野町=は、当初は話すことができずに読み書きも困難だったが、リハビリや失語症カフェに通って症状は回復してきた。「理解のある人ばかりで、リラックスできる場。また明日も頑張ろうという気持ちになる」と魅力を語る。