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【愛媛県】

災害時、医薬品確保へ 循環備蓄 理解深める 愛南で医療関係者ら 住民と勉強会

愛媛新聞 2019年11月25日(月)
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災害薬学のテキストを紹介する木本氏

 愛南町の医療・福祉関係者らでつくる「なんぐん地域ケア研究会」がこのほど、災害時の避難者・要援護者への医薬品の供給について同町役場で勉強会を開いた。会メンバーや町職員、住民ら約70人が参加。2016年に町が南宇和郡医師会・県薬剤師会宇和島支部と始めた県内初の医薬品循環備蓄のメリットや課題などについて理解を深めた。
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 自治体は災害時用の医薬品を備蓄しているが、期限切れになると再購入や廃棄のコストがかさんでしまう。このため同町は横浜市を参考に、購入した医薬品を期限切れ前に薬局に消化してもらい、新品に置き換える方式を導入。買い換えが不要なため、町の経費は最初の購入費だけで済むメリットがある。
 勉強会は1日に開催。明石薬局(同町城辺甲)の明石博文管理薬剤師、医薬品卸売業よんやく宇和島支店の鈴木洋仁支店長、県薬剤師会災害対策委員会副委員長で松山赤十字病院の木本国晴薬剤課長の3人が講演した。
 明石氏は町内の全10薬局がこの循環備蓄に協力しており、南海トラフ地震想定で1週間分の医薬品が備えられていると説明。その上で、冷蔵庫保管が必要なインスリンや金庫管理が必要な医療用麻薬は町の備蓄から除外されている問題点を指摘した。
 解決策として、被災を免れた薬局の在庫は県薬剤師会宇和島支部と結んだ協定に基づいて町が利用することや、患者自身が適量の残薬を持っておくことなどを挙げた。
 木本氏は患者が自分で常用薬を備蓄しておくことの重要性を強調しつつ、医療機関は規則で必要以上の医薬品を処方できないことを説明。適量が手元に残った状態になるよう医師と相談し、平時は使用しつつ災害時は備蓄分として充当できるよう残薬調整するよう勧めた。
 16年の熊本地震以降、薬事でも調整や連携の重要性が増している状況を受け、急性期後の医療救護体制の復興を支援する組織「災害医療コーティネーションサポートチーム」ができている例などの紹介もあった。